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ソーラーウインズ、最新のIT運用管理ソフトについて説明 “ニューノーマル時代”におけるITインフラ市場の動向も解説

 ソーラーウインズ・ジャパン株式会社(以下、ソーラーウインズ)は、“ニューノーマル時代”における日本のITインフラ市場動向と同社が提供する最新のIT運用管理ソフトウェア製品に関する説明会を、9月1日にオンラインで開催した。

 SolarWindsは、1999年にネットワーク監視製品を提供する企業として米国で設立。創業時から、現場のITエンジニアの課題を解決することに注力し、現在では、データベースパフォーマンス管理やアプリケーションパフォーマンス管理、セキュリティ、ITサービス管理などの分野で55以上の製品を提供している。

 ソーラーウインズ カントリーマネージャーの河村浩明氏は、グローバルにおける同社のビジネス概況について、「ソーラーウインズは、ネットワーク管理の分野で世界シェアNo.1、システム管理の分野でも世界シェア第3位の実績を持っている。また、グローバルな技術コミュニティー『THWACK』に、15万名ものメンバーが加盟しており、このコミュニティーを通じてユーザーの意見や要望を製品開発に反映させている。グローバルでの顧客数は190か国34万社を超えており、国内でも2000社以上となっている。特に、Fortune 500社のうち499社が当社製品を利用しており、米国国防省の各拠点でも標準採用されている」と説明した。

ソーラーウインズ カントリーマネージャーの河村浩明氏

 「今後は、ネットワーク管理からアプリケーションパフォーマンス管理、データベースパフォーマンス管理、インフラ管理、さらにはITセキュリティやITサービス管理まで、IT運用管理(ITOM)製品を包括的にそろえることで、顧客にとってのワンストップソリューションとなる存在を目指していく。そして、オンプレミスとプライベートクラウド、パブリッククラウドをシームレスにつなぎ、ITに関するあらゆる運用管理を、一つの画面から簡単かつ安価に利用できるソリューションを提供していく」と、今後の製品戦略のビジョンを示した。

包括的なIT運用管理(ITOM)製品のポートフォリオ

DXへの動きは加速――、ただしセキュリティ強化は後回し

 続いて、米SolarWindsのHead Geek、サシャ・ギース氏が、“ニューノーマル時代”の日本のITインフラ市場について解説。「当社のリサーチによると、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、日本企業のIT予算は平均5~6%削減されているが、その中でも、デジタルトランスフォーメーション(DX)への動きは加速している。特に、医療分野において診療アプリの導入が進み、病院に行かなくても診断を受けることが可能となった。また、アプリケーションの活用に向けたITインフラ改善のため、ハイブリッドクラウドの採用も進んでいる。その一方で、セキュリティの強化は依然として後回しになっている」と現状を分析した。

米SolarWinds Head Geekのサシャ・ギース氏

 「企業で利用するアプリケーションの数が増え、そのデータへの依存度が増加したことにより、ITチームの約30%の業務がデジタルパフォーマンスの問題に対処するために費やされるようになっている。また、デジタルパフォーマンス問題を解決するため、年間平均で約250万ドルのコストが発生しているといわれている。さらに、IaaS、PaaS、SaaSの利用が拡大する中で、既存のオンプレミス環境でこれに対応しようとすると、企業のITインフラがスパゲティ状態になってしまうリスクがある」と、アプリケーションの利用拡大に伴うIT運用管理の課題を指摘した。

各分野での製品を説明

 続いては、同社が展開しているIT運用管理ソフトウェア製品の最新ラインアップについて、ギース氏が紹介した。

ソーラーウインズのIT運用管理製品ラインアップ

 アプリケーションパフォーマンス管理の分野では、「Server&Application Monitor(SAM)」と「AppOptics」の2製品をピックアップ。「Server&Application Monitor(SAM)」は、プライベート、パブリック、ハイブリッドの各クラウド環境において、1200以上の監視テンプレートでアプリケーションとサーバーのパフォーマンスを監視する。これにより、サーバーの継続的な監視、ハイブリッドITデータのクロススタック相関、カスタム・アプリケーションの柔軟な監視を実現する。また、SaaSで提供される「AppOptics」は、AWS、Azureおよびハイブリッド環境におけるアプリケーションパフォーマンス問題の根本的な原因の特定を加速化するという。

 データベースパフォーマンス管理の分野では、「Database Performance Analyzer(DPA)」、「Database Performance Monitor(DPM)」の2製品について紹介。「Database Performance Analyzer(DPA)」は、SQLクエリのパフォーマンス監視と分析、チューニングのために構築されたデータベース管理ソフトウェア。一方、「Database Performance Monitor(DPM)」は、オープンシステムとNoSQLデータベースのためのデータベースパフォーマンス監視と最適化を実現するソフトウェアとなっている。

 システム管理の分野は、「Virtualization Manager(VMAN)」と「Storage Resource Monitor(SRM)」の2製品。「Virtualization Manager(VMAN)」では、包括的な仮想マシン(VM)監視、パフォーマンス管理、容量計画および最適化を実現する。「Storage Resource Monitor(SRM)」では、マルチベンダーストレージの健全性、パフォーマンス、容量に関するストレージリソース管理レポートを提供する。

 ネットワーク管理の分野では、「Network Performance Monitor(NPM)」と「Network Configuration Manager(NCM)」の2製品をピックアップ。「Network Performance Monitor(NPM)」は、オンプレミス、ハイブリッド、クラウドを包括的にカバーするネットワーク監視ツール。ITエンジニアが平均的な停止期間を短縮できるように設計されており、複雑な設定をすることなく、パフォーマンスの問題を検出、診断、解決するための使いやすい機能を提供する。「Network Configuration Manager(NCM)」は、自動化されたネットワーク構成管理とバックアップにより、作業時間を短縮し、コンプライアンスを維持する機能を提供する。

 ITセキュリティ分野では、「Access Rights Manager(ARM)」と「Security Event Manager(SEM)」の2製品を展開。「Access Rights Manager(ARM)」は、ITインフラストラクチャ全体におけるアクセス権の管理と監査を行うソフトウェア。インサイダー脅威を最小限に抑えることができる。「Security Event Manager(SEM)」は、軽量ですぐに利用できる低価格なセキュリティ情報およびイベント管理ソリューションで、セキュリティ体制を改善し、コンプライアンスを迅速に実証することが可能となる。

 そして、ITサービス管理の分野については、「SolarWinds Service Desk(SWSD)」と「Web Help Desk」の2製品を紹介した。「SolarWinds Service Desk(SWSD)」では、従業員向けサービスの管理を成功させるために、何が必要かを熟知しているITサービスマネジメント(ITSM)ソリューションを提供する。「Web Help Desk」は、ヘルプデスクのチケット発行およびITアセット管理のソフトウェア。Dameware Remote Controlとの統合により、エンドユーザーを容易にサポートすることができる。