ニュース

トランスコスモス、製薬業界における製造原文書と申請文書の齟齬を自然言語技術で検知する「rodanius for Pharma」を提供

 トランスコスモス株式会社は3日、株式会社ディビイとパートナーシップを締結し、製薬業界における製造原文書と申請文書の間にある齟齬を自然言語技術で検知するソリューション「rodanius for Pharma」の提供を開始すると発表した。

 rodanius for Pharmaは、自然言語処理技術を活用し、異なる記載の文書間にある誤記、抜け・漏れ、単位違いや一部表現の違いなどによる情報の間違いを検知するソリューション。製薬業界の製造時の原文書群は数百ページに上り、製造工程を詳細に記述しているのに対し、申請文書は要点を取りまとめて簡易に記述するため、従来考えられていた自然言語処理技術では情報量の違いにより間違いを探す事が非常に困難だったという。

 ディビイが開発する解析技術基盤「rodanius framework」は、従来より存在する多くの解析技術を搭載しており、使うデータによって文書の構造化、ベクトル化、判別などにおけるアルゴリズムの最適な組み合わせを自動構成するナレッジを持った、ディビイ独自開発のAIを搭載する。これにより、従来自然言語処理では使用しないロジックや、通常あまり多用されないアルゴリズムも適正に組み合わせ、最適な解析を行うことが可能になり、通常では難しいとされる情報量が大きな差のある文書間にある齟齬を発見することを可能にしたとしている。

 rodanius for Pharmaは、すでに複数の大手製薬企業の実際の現場において、実文書を使ったPoCを行い、その精度は十分に活用できると評価されていると説明。トランスコスモスでは、製薬業界向けにrodanius for Pharmaの販売を行うだけでなく、デジタルトランスフォーメーションサービスを組み合わせて提供することで、製薬会社の業務課題や新しいビジネスを創出していくとしている。

 また、トランスコスモスは今後もディビイとのパートナーシップにより、お互いが保有する自然言語処理技術を活用した新たなサービスを積極的に開発し、全業界に対して提供していくと説明。第一弾として、膨大なマニュアルからFAQを自動生成するソリューションの企画を開始しているという。