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DNP、生活者の価値観に合わせたウェブ広告を配信するサービス「価値観DSP」を提供

 大日本印刷株式会社(以下、DNP)は18日、株式会社ディーアンドエム(以下、D&M)と共同で、生活者をその価値観ごとにDNPが独自に分類した「価値観クラスター(群)」に合わせたウェブ広告を配信し、その成果を測定するサービス「価値観DSP」を開始した。第一弾として、日用品や食品のメーカーに向けて、訴求したい購買層をターゲットとして価値観クラスターで分析し、その生活者が嗜好する傾向に合った表現のウェブ広告を配信するサービスを提供する。

 DSP(Demand-Side Platform)とは、さまざまな広告主が提供する多数の広告の中から、ウェブサイトを閲覧する生活者が興味・関心を持ちそうな広告を選んで最適なタイミングで表示し、広告効果の最大化を支援する情報基盤を指す。新たにサービスとして提供する価値観DSPでは、DNPの価値観クラスターで分類される生活者の特性に適した表現方法で、企業が訴求したい商品のウェブ広告を制作・配信する。

 DNPの価値観クラスターは、社会状況やトレンドによって変化する人々の価値観をライフスタイル・感度、メディア、コミュニケーションに関する10の因子で定義・分類したもの。DNPでは2009年から毎年、生活者を対象に、価値観やライフスタイル、購買行動に関する意識など、約1000項目以上の調査を実施し、価値観クラスターで分類して、多くの企業に顧客の人物像(ペルソナ)のデータとして提供している。

 一方、クロス・マーケティンググループのD&Mは、プロモーション利用許諾を取得しているアクティブなネットモニター会員を600万人以上保有している。

 今回、このネットモニター会員の一部を価値観クラスターで分類し、D&Mが連携するDSP事業者を通じて、一人ひとりを対象としたターゲティング広告を配信する。また、購買データ(ID-POS)をもとに、商品購入者の価値観クラスターを判別できる価値観ID-POS分析を活用することで、商品ごとに主なターゲットとする価値観クラスターを設定して、効果的なウェブ広告を制作・配信することも可能としている。

 日用品・食品メーカーを対象とした動画広告配信では、価値観DSPサービスを活用し、食品流通業界の標準化コードで全国1400店舗以上で利用されている「i-code」で統一したID付きPOSデータ「ID-POS」と価値観クラスターを連動させる。これにより、これまでの購買傾向から、広告対象の商品を好む傾向にある生活者を選定し、その価値観クラスターの特性に合わせた最適なウェブ動画広告を制作し、配信していく。

 今後は、価値観クラスターを活用した価値観DSPサービスにより、ウェブ広告の配信から購入後の調査・分析まで、広告効果とブランド価値の向上につながる企業の施策をトータルにサポートすると説明。また、サービスの対象業界を拡大し、2022年度までに累計で1億円の売上を目指すとしている。