ネットワン、朝日新聞社のSD-WAN環境を構築　インターネットブレイクアウトでクラウドの活用拡大を支援

　ネットワンシステムズ株式会社は24日、Cisco SD-WAN（旧Viptela）を用いて、クラウドの活用拡大に向けた株式会社朝日新聞社のSD-WAN環境を構築したと発表した。すでに、3月より全面稼働を開始している。

　朝日新聞社は従来、東京本社・大阪本社のデータセンターを経由してセキュアにインターネットへ接続していたが、Web通信のリッチコンテンツ化などでインターネット接続点への通信量が増大し、帯域が逼迫（ひっぱく）してしまったため、クラウドサービスを利用した業務で体感速度が低下していたという。

　そこで今回のSD-WAN環境では、拠点からのアクセス回線を閉域網とインターネット回線のActive/Active構成を採用。クラウドサービスなどのWeb向け通信は、インターネットブレイクアウトによって拠点からインターネットへ直接接続させる一方で、社内システム向け通信は閉域網へと自動的に接続先を切り替えられるようにした。

　またインターネットブレイクアウトの通信については、クラウド型セキュリティサービスを介することでセキュリティ強化を実現している。

　朝日新聞社ではこうしたネットワークを本社・支社・総局の全国54拠点に導入し、クラウドサービスの体感速度を向上させたとのことで、7割の取材拠点で体感速度の向上を実感しているとした。

　さらに、アクセス回線のActive/Active化による利用効率向上や、閉域網の見直しによって運用負荷・コストを低減。拠点に設置するSD-WANルータとアクセス回線を二重化することによって、業務の継続性も向上させている。

　なお今後、朝日新聞社はOffice 365の全社導入を予定しており、クラウドへの通信量が大幅に増加することが予想されているが、SD-WANによるインターネットブレイクアウトによって吸収できると見込んでいる。

　また、SD-WANで拠点同士をフルメッシュ接続しているため、拠点間でのビデオ会議など、コラボレーションツールの利用拡大も見込んでいるとのことだ。