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ミマキエンジニアリング、「Dynamics 365 for Field Service」でグローバルの保守サービス管理システムを共通化

 株式会社日立ソリューションズは27日、業務用インクジェットプリンタ、カッティングプロッタなどを提供する株式会社ミマキエンジニアリングが、フィールドサービス効率化を支援するクラウドサービス「Microsoft Dynamics 365 for Field Service」を活用した保守サービス管理システムを導入したと発表した。

 ミマキエンジニアリングは、150カ国・地域に対して製品の販売や保守サービスの提供を行っているが、顧客満足度の向上などのためには保守サービスが重要と考え、故障あたりの訪問回数の削減、修理時間の短縮などを行ってきたという。

 しかし保守サービスを管理するにあたって、日本と北米ではクラウドシステム、欧州では自社開発システムを利用。さらにその他の地域では紙帳票に記入してからPCに入力するといった、地域ごとに異なる運用を行っていたため、製品の不具合に関する情報を各拠点から集約して分析し、担当者へ迅速にフィードバックすることは困難だったとのこと。さらに、拠点ごとのシステムの運用コストも課題とされていた。

 こうした背景のもとミマキエンジニアリングは、2017年2月に再構築のための検討を開始。国内のクラウド型システムを海外拠点に提供する方法も検討したものの、国内向けに大幅に作り込まれたものであったこと、クラウドシステムの使用料が高額であったことから断念。

 グローバルに利用できるクラウドサービスである点、CRMツールでありながら保守サービスに特化した機能を併せ持つ点、安価な利用料金などを評価して、Dynamics 365 for Field Serviceを採用した。またシステムインテグレータとしては、Dynamics 365のグローバル拠点への導入支援実績、保守業務のノウハウが評価され、日立ソリューションズを選定したとのこと。

 現在、同社はMicrosoft Dynamics 365 for Field Serviceによって、拠点ごとに異なっていた保守サービス管理システムの共通化を推進しており、2018年11月から、国内と、それまではシステム化されていなかったインドネシア、台湾、豪州の各国・地域にて順次稼働を開始。今後は、グローバルに展開を進め、2020年10月には19拠点に導入される予定だ。

 なお、新システムが最初に稼働した国内では、保守データの迅速な収集・分析によって、保守担当者への正確なフィードバックが可能となり、故障による訪問回数を対前年比で34%削減している。また標準カスタマイズ機能を活用し、画面や帳票のレイアウトの変更などの簡単な作業を自社で行って、運用コストも削減できたという。

 今後は、営業管理システム「Dynamics 365 for Sales」との連携や、保守担当者による現場でのモバイル運用なども視野に入れている。