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セールスフォース、マーケティングアナリティクス機能の強化として「Datorama」の新機能を発表

Marketing Cloudとのデータ統合を実現する機能などを追加

 株式会社セールスフォース・ドットコムは18日、マーケティングアナリティクスの機能強化として、「Datorama」にMarketing Cloudのデータ統合を実現するコネクターや、開発者向けのツール「Datorama Developer Portal」、インサイトにもとづいたキャンペーン管理を可能にするアクティベーション機能「Datorama Activation Center」を追加したと発表した。

 Datoramaは、Marketing Cloud製品の一部で、企業や広告代理店、パブリッシャー向けのAIを実装したマーケティングインテリジェンスおよびアナリティクスプラットフォーム。米Salesforce.comが2018年8月に買収したDatoramaのサービスで、マーケティングプラットフォーム関連のAPIやAIを活用したコネクターを通じて、数百のデータソースを集約し、売上から気象や経済指標といった、マーケティングに関連するあらゆるデータを統合できる。

 新たに追加したDatorama Marketing Cloudコネクターでは、Marketing Cloudで実施したキャンペーン効果をDatoramaで可視化できるようにする。クリックするだけでMarketing Cloudのデータを容易にDatoramaのプラットフォームにインポートでき、キャンペーン効果を重要な指標と照合して確認できる。また、強化されたレポート作成機能により、インサイトの提案、分析を可能にする。

 さらに、新たに提供を開始するSocial Studioコネクターを活用することで、マーケターはソーシャルメディアでの業界トレンド、ブランドヘルス、競合他社の発信が、自社のマーケティング活動全体にどういった影響を与えているのかを確認できるようになる。ペイドソーシャル、ペイドメディア、サイト分析、売上データやそのほかのマーケティングや広告データに関する指標と合わせて、Datorama上で全体を把握できるようになる。

 また、今夏には、従来から提供していたEmail Studioコネクターの機能拡張とMobile Studioコネクターの追加を予定。マーケターはこうしたコネクター群を活用することで、メールやモバイルから、顧客に関するより深いインサイトをDatorama上でシームレスに得られるとしている。

 Datorama Developer Portalは、データ統合のカスタマイズやマーケティングチーム向けのソリューション構築のためのIT担当者や開発者向けのツール群を提供する。

 APIとしては、Datoramaの実装をカスタマイズできる「プラットフォームAPI」や、プレゼンテーションツールやサイト分析スソリューションなど、マーケターがよく利用するプラットフォームとDatoramaのデータを共有できる「クエリAPI」を提供。また、所属組織独自のニーズに対応するコネクターを作成するためのツール「カスタムデータAPIコネクター」や、Pythonを利用してDatoramaにデータをインポートできる機能、独自の方法でパフォーマンスを可視化するための「カスタム・ビジュアライゼーション」といった機能っも提供する。

 Datorama Activation Centerは、Datoramaが提案するインサイトにもとづき、キャンペーン管理やアラートを発信する。Datoramaに表示されるリアルタイムなインサイトをもとに、緊急事態が発生した瞬間にマーケターは次のアクションを起こし、それをステークホルダーに通知するといったことが可能となる。

 さまざまなマーケティングや広告チャネルを横断して、マーケティングキャンペーンの効果を比較でき、コストや顧客とのエンゲージメント、コンバージョンなどの進捗が芳しくないキャンペーンについては、自動化ルールで停止させることもできる。

 また、データ、目標、KPIにもとづきアラートを発信。マーケティングチームが普段コミュニケーションツールとして利用しているメールやSlackなどに送信でき、いつでもどこでもアラートを確認できる。