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BlackBerry、セキュリティベンダーのCylanceを買収へ

 加BlackBerry Limitedは16日(北米時間)、セキュリティベンダーの米Cylanceを買収すると発表した。14億ドルの現金に加え、未確定の従業員インセンティブ報酬をBlackBerryが引き受けることで、Cylanceの全株式を取得する。買収は2019年2月までに完了する見込みだ。

 Cylanceは、2012年に創業したセキュリティベンダー。セキュリティ領域にAIと機械学習を導入したパイオニア企業とされており、エンドポイント向けのマルウェア対策ソフトウェア「CylancePROTECT」、EDRソフトウェア「CylanceOPTICS」などを提供している。

 同社では、Cylanceの機械学習機能などを活用し、BlackBerryの技術ポートフォリオ全体を補完することを狙っており、BlackBerryの統合ソリューションを通じて、固定/モバイルの両エンドポイント環境をインテリジェントに保護できるようにする計画。また、組み込み可能なAIテクノロジーが、BlackBerry Spark EoT(Enterprise of Things)プラットフォームの開発期間を短縮するとした。

 BlackBerryの執行役会長兼CEO、John Chen氏は、「Cylanceのチームが当社に加わり、両社の専門知識を活用できることを歓迎する。プライバシー、セキュアなモビリティ、組み込みシステムといった分野における優位性にCylanceの各種機能が加わることで、BlackBerry Sparkは、『モノの企業(Enterprise of Things)』を実現する上で不可欠な要素になると考えている」とコメントした。

 なお、買収完了後もCylanceはBlackBerry内の独立したビジネスユニットとして経営を行う予定とのことで、Cylanceの共同創設者兼会長兼CEOであるStuart McClure氏は、「Cylanceの顧客、チーム、テクノロジーは、BlackBerryのグローバルな事業規模の恩恵を直ちに得られる。BlackBerryのモビリティとセキュリティの強みを生かし、Cylanceの高度なAI技術を応用することで、顧客に単一のプラットフォームを提供できるようになることうれしく思っている」と述べている。