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シスコのデイヴ・ウェスト社長が登場、2019年度の事業戦略について説明

企業・パートナー・社会とともにデジタルイノベーションを共創へ

 シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)は4日、2019年度事業戦略に関する記者会見を開催し、7月30日に代表執行役員社長に就任したデイヴ・ウェスト氏が、日本市場における今後の事業ビジョンやフォーカス分野について説明した。

シスコ 代表執行役員社長のデイヴ・ウェスト氏

 ウェスト氏はまず、2018年度の事業概況について「昨年度の日本でのビジネスは、エンタープライズから中堅・中小企業まで素晴らしい結果となり、9期連続での成長を達成することができた」と振り返り、「日本のデジタル変革を支援」「次世代プラットフォームの構築」「日本市場により根ざした事業展開」の3点をハイライトに挙げた。

 このうち「日本のデジタル変革を支援」については、「ファナックやヤマザキマザック、横河ソリューションズなどの製造業の顧客と累計10の共同IoTソリューションを提供。また、京都および東京・日本橋において、新規スマートシティ実証事業に着手した。このほか、2018年版『働きがいのある会社』の大規模部門で第1位を獲得した」という。

 「次世代プラットフォームの構築」では、「セガサミーホールディングスからインテントベースプラットフォームの大規模案件を受注した。そして、次世代プラットフォームのビジネスが進展する中で、従来のハードウェアに加え、ソフトウェアおよびリカーリングビジネスが大きく成長した」とのこと。

 また「日本市場により根ざした事業展開」としては、エンタープライズだけでなく、中堅・中小企業に向けた高品質ソリューションの提供にも注力し、継続的なビジネス成長を実現。また、2020年の東京オリンピックを視野に、ソニー・ミュージックエンタテインメントと共同でスポーツ&エンターテイメント分野での新たな取り組みも開始したという。

 そして、昨今の日本企業を取り巻く課題として、「地政学的懸念」「労働生産性の向上」「2020年東京オリンピックとその先」「クラウドコンピューティングの進展」「IoT/AIによるデータ活用」「5Gへの移行」「セキュリティの脅威」といったキーワードを挙げた。

 その上で、2019年度の事業ビジョンについてウェスト氏は、「これらのさまざまな課題を踏まえながら、日本の顧客企業、パートナー、社会とともにデジタルイノベーションを共創していく。その中で、デジタルビジネスのためのセキュアでインテリジェントなプラットフォームを提供していくことが当社の使命になる」との考えを示している。

2019年度の事業ビジョン

 さらに、ウェスト氏は、「このセキュアでインテリジェントなプラットフォームを提供していくためには、当社自身もイノベーションのペースを加速させる必要がある」と述べ、今後のフォーカス分野として、1)マルチクラウドな世界を実現するためのアーキテクチャ、2)新しい時代のネットワークを実現するアプリケーションセントリックインフラストラクチャ、3)AppDynamicsなどデータの力を解放するソリューション、4)あらゆる製品に組み込まれた基盤としてのセキュリティ、5)働き方改革に向けた価値あるコラボレーションエクスペリエンスの創造――、の5つの柱を掲げた。

5つのフォーカス分野

 「これらの5つの柱は縦割りで取り組むのではなく、すべてが連携し、完全に統合されたプラットフォームとして提供していくことが重要だ。顧客は、このプラットフォームの上で、迅速にデジタルイノベーションを進めていくことが可能になる。そして、デジタルへの旅路を成功させることができると確信している」とウェスト氏。日本市場での今後の展望については、「当社は、サイバーセキュリティを基盤として、ビジネス、社会、テクノロジー、人材に至るまで、あらゆる領域でデジタルイノベーションの戦略パートナーになることを目指していく」と力を込めた。

デジタルイノベーションの戦略パートナーへ