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トレンドマイクロ、米Moxaと産業用IoT向けアプリケーションのセキュリティで提携

 トレンドマイクロ株式会社は5日、産業コミュニケーションやネットワーキングのソリューションを手掛ける米Moxaと、スマート工場やスマートエネルギーといった産業用IoT(IIoT:Industrial Internet of Things)を保護する最先端のソリューションを共同開発することを目的に、Technology Alliance Partner Programにおいて提携すると発表した。

 トレンドマイクロでは、製造、石油、ガス、運輸の領域においては、IoTソリューションの採用は86%に達すると推定され、産業用IoTへの関心の高まりは、2025年までに市場規模が2.5兆米ドルを超えると予測されるスマートシティ市場の急速な成長をけん引していると説明。

 一方で、産業用IoTのサイバーリスクは拡大し続けており、安全でないデバイスやネットワークが悪用されることで、産業機器の破壊やランサムウェアによる障害に加え、企業ネットワーク上の機密性の高いデータを窃取される可能性があると指摘。産業用IoTデバイスは、IT部門とOT(Operational Technology)部門の境目にあるため、セキュリティに関する責任範囲が多くの場合不明瞭で、多くの組織が産業用IoTデバイスの安全性確保に苦労しているとしている。

 トレンドマイクロCEOのエバ・チェン氏は、「Moxaと技術面における提携を合意できたことは光栄です。ITとOTの融合は続いており、インフラの変革とネットワークに新たに接続されるものの安全性を確保する上で、多くの組織は支援を必要としています。Moxaのような業界のリーディングカンパニーとの連携は、トレンドマイクロの過去30年間の戦略の中で重要なものになっています」とコメント。

 共同開発の初期段階においては、産業用アプリケーションのエッジ接続、デバイス管理、製品寿命に必要なセキュリティを実現するため、エンドポイントのロックダウン、OTネットワークのファイアウォール、組み込みセキュリティに注力し、世界中の資産所有者やプラントオペレーターの価値を高める取り組みを行うとしている。

 また、トレンドマイクロは、産業用IoT関係者が直面する潜在的な課題を早期に発見し、データセンターからデバイスまで、エコシステム全体のセキュリティを確保するための活動に取り組んでいると説明。これには、新しい脆弱性情報の収集とインテリジェンスの開発、Virtual Network Functionベースのセキュリティに関するインターネットサービスプロバイダーとの緊密な連携、組み込みコンピューティング開発者やデバイスメーカとの革新的な新しいソリューションの開発などが含まれるとしている。