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富士通、利用者の取引データの活用により地域活性化を促進する「ブロックチェーンアセットサービス」

 富士通株式会社は6日、ブロックチェーンを活用し、観光地や商店街、商業施設などの特定地域で期限内に利用できるデジタルなポイントやスタンプ、クーポンなどの流通の仕組みを提供するクラウドサービス「FUJITSU Intelligent Society Solution ブロックチェーンアセットサービス」の販売を開始した。

 富士通では、特定の地域やエリアの活性化に向け、ブロックチェーンを活用したデジタルなスタンプラリーの実証実験を、千葉県千葉市・株式会社千葉銀行、小田急電鉄株式会社、西日本電信電話株式会社静岡支店、台湾ファミリーマートなどと共同で実施してきた。実証実験においては、スタンプラリーを連動させた顧客体験型のイベントを実施し、スタンプの取得データなどの利用者の行動データと個人を特定しない範囲での属性データをひも付けて分析することで、マーケティング活動の支援もしてきた。

 提供を開始するブロックチェーンアセットサービスは、イベントに関するアプリケーションなどと連動させることで、配布するデジタルなポイントやスタンプ、クーポンなどの内容やその取引記録をブロックチェーン上に登録し、管理を行うアセット管理機能を用いて、ポイントやスタンプ、クーポンなどの内容や使用可能な地域・期間を定義した上で活用することが可能になる。

 利用者は、スマートデバイスを用いて本サービスと連動したアプリケーションを活用し、特定の地域内に設置されたQRコードなどから獲得したポイントやスタンプを、特定地域内の店舗や商業施設などで使用できる特典やクーポンなどに変換できる。これにより、観光地巡りのイベントや商業施設のキャンペーンなどにおける集客率の向上や、購買意欲の増進につなげられる。

 サービスはAPIとして提供し、導入する企業などが開発したアプリケーションとの連携を容易に可能にする。利用企業は、ブロックチェーンに関する専門知識や専用のICT環境を保有しなくとも、安心・安全かつ迅速にサービスを活用できるとしている。

 ブロックチェーンの分散台帳上に記録される利用者のポイント活用に関する取引情報と、ログイン連携機能を活用して収集される、年齢や性別などといった個人を特定しない範囲での利用者情報とをひも付けることで、利用者の嗜好や行動など詳細な分析が可能となり、今後の集客や販売戦略に活用できる。また、クーポンの配布・利用状況を確認可能な運用管理機能により、ポイントやスタンプの流通量や、クーポンの利用状況を可視化できる。

 サービスの価格(税別)は、初期費用が個別見積もり、月額費用が150万円から。提供時期は2018年度第3四半期。富士通では、2020年度末までに累計100件の販売を目標とする。また、サービスについては、6月13日~15日に幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2018」に出展する。