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ミッションクリティカルITは次期更新でクラウド化促進の可能性――、IDC Japan調査・予測
国内エンタープライズインフラ市場のユーザー動向調査結果を発表
2018年4月13日 12:11
IDC Japan株式会社は12日、国内エンタープライズインフラストラクチャ市場に関するユーザー動向の調査結果を発表した。
それによると、経営課題の優先順位上位3項目は、2017年3月に実施された調査と同じく、「営業力の強化」「ビジネスモデルの変革」「新規ビジネスの創出」が挙がった。ただし、その調査結果と比較すると、上位3項目のうち「新規ビジネスの創出」の比率は低下。一方で、「営業力の強化」「ビジネスモデルの変革」が上昇した。同社はこの理由として、「まず既存事業を強化した上で新規事業の創出に注力したいとする意向が調査結果に表れた」と分析している。
これら上位3項目の経営課題の解決手段として活用している、あるいは活用したいITテクノロジーとしては、「IoT」「機械学習/認知システム/AI」がそれぞれ1割前後を占めたとのこと。
その一方で、DXへの取り組みに新たなテクノロジーを活用する上での阻害要因として、「デジタルビジネスのアイデアを持つ人材が不足している」を挙げる回答者が突出して多く、「これが新規ビジネスの創出への取り組みに対する意欲を低下させた可能性がある」と指摘している。
また調査では、ミッションクリティカルな基幹業務システムへの投資意向について、「オンプレミスか、クラウドサービスか」「オープンシステムか、プロプライエタリーシステムか」といった視点から、次期更新時の対応について質問した。
前者では、もっともミッションクリティカル度が高い基幹業務システムは、現在、回答者の83.5%がオンプレミスで運用しており、クラウドサービスは15.6%にとどまっている。しかし、次期更新ではオンプレミスが55.0%、クラウドサービスが43.8%で更新という結果で、クラウドへの切り替えが進むことがうかがえる。
現在、オンプレミスで採用しているサーバーは、回答者の44.2%がオープンシステム、39.3%がプロプライエタリーシステムとしたものの、次期更新ではともに低下し、回答者の30.4%がオープンシステム、24.6%がプロプライエタリーシステムと回答している。
この結果からIDC Japanは、ITサプライヤーにとって、オープンシステムであれプロプライエタリーシステムであれ、基幹業務システムのオンプレミスの顧客ベースが3~4割程度減少することを示唆していると指摘している。
ただし、ミッションクリティカルな基幹業務システムにおいて「次期更新でクラウドサービスを採用する」とした43.8%のうち、3割強の回答者(全体の14.4%)は、「メインフレーム/オフコンに対応したクラウドサービス」や「サーバー/ストレージベンダーのクラウドサービス」を採用すると回答した。
このことから、「ITサプライヤー、特にサーバーベンダーやストレージベンダーは、オンプレミスでの需要減退を自社が提供するクラウドサービスで補えるかが、インフラストラクチャビジネスの維持に極めて重要になる」とも言及している。