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AIでサーバー室の温度環境を制御、三谷産業と清水建設が「SMTクラウド」を提供

 三谷産業株式会社は7日、自社の情報システム部門と清水建設株式会社が共同で、サーバー室の温度環境をクラウド上のAIで省エネ制御するサービス「SMT(Smart Management Technology)クラウド」を提供すると発表した。

 SMTクラウドは、サーバー室の温度環境をリアルタイムで省エネ制御するサービス。このサービスでは、まず、IoTセンサー類を用いてサーバー室の温度環境データを収集し、クラウド環境へ送信する。AIは、そのデータを蓄積・学習し、空調機器の運転状況とサーバー室各所の温度との関係をモデル化。それを利用して、最適な温度環境を必要最小限のエネルギーで実現する制御情報を空調機器に送信するとともに、サーバー室内における温度環境の見える化も行う。

 三谷産業によれば、SMTクラウドにより最大25%程度の省エネ効果が期待できるとのこと。また新築の場合は、施設ごとに空調機器の制御装置を備える必要がなくなるため初期コストを削減できるほか、空調制御機能の大部分をクラウド側に集約することで、サーバー室の運用変更や空調機器更新に伴うシステム調整にも迅速に対応可能なメリットが生まれるという。

 さらには、温度環境を見える化することにより、施設管理者による温度計測など、一連の管理業務を削減可能とした。なお、クラウドサービスではなく、AIをカスタマイズして当該施設内に直接装置を提供することも可能とのこと。

 初期費用を除く利用料の目安は、100ラック規模で年間120万円。このほか、ネットワークは既存ネットワークとは独立した環境が必要となる。三谷産業と清水建設では、初年度はまず、三谷産業の本社がある北陸地方を中心に営業活動を行い、2019年度から全国展開を図る考えだ。

 また両社では、サーバー室の省エネを図るコンサルティングサービス「コミッショニング・サービス」も提供する。両社の技術者が当該サーバー室の空調機器の性能を分析し、その結果を踏まえて、機器のベストチューニングや空調方式の変更、クラウド制御といった省エネ提案を行う。

 価格は、100ラック規模の場合、サービスのベースとなる空調機器の性能分析で80万円程度。提案費用は別途となる。