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日立ソリューションズ、施設・建物内における人の位置や移動の状態を把握する米EnlightedのIoTソリューションを提供開始

 株式会社日立ソリューションズは14日、施設・建物内における人の位置や移動、施設の状態を把握し、生産性向上や新サービスの創出を支援する、米EnlightedのIoTソリューションについて、国内初の販売代理店契約を締結し、4月2日から販売開始すると発表した。

 ソリューションでは、建物や施設の天井や机の下などに取り付けることで、さまざまなデータを収集するIoTセンサーを提供。センサー間で独自のメッシュネットワークを構築するため、データ通信用の配線工事が不要で、各種設定もシステム管理者がブラウザーから直接編集でき、簡単に導入できる。

 IoTセンサーは、赤外線、温度、照度を感知し、データをクラウドにリアルタイムに送信する。また、BLEの送受信にも対応し、BLEビーコンやスマートフォンを用いることで、人・物の位置や動きをリアルタイムに可視化できる。これにより、たとえば公共施設などの不特定多数の人が利用する施設において、空間の利用状況を把握したり、BLEタグを持つスタッフの動きと連携したサービスを提供したりするなど、1つのセンサーでBLEビーコンを持つ人と持たない人の両方に対応したサービスを構築できる。

IoTソリューションの概要

 また、クラウドサービスとして、複数の施設情報を集約し、さまざまな観点から分析するダッシュボードを提供する。これにより、フロアや施設を単独で分析しただけでは分からない、全体最適化の可能性や全体的な傾向を可視化できる。

 企業はこれにより、今まで難しかった施設・建物の利用状況や人・物の動き、コミュニケーションを把握・分析することが可能となり、働き方改革やデジタルマーケティングの加速、スマートビルの実現などによる、生産性の向上や新サービスの創出が可能となるとしている。

クラウドサービスの画面例(人の動線分析)

 日立ソリューションズでは、2017年3月から自社において、従業員のオフィス内での動きの可視化や入退館管理を検証し、施設の稼働状況の可視化や適切な就労管理への効果を確認した。また、三井デザインテック株式会社とともに、オフィス内のコミュニケーションの見える化やスペースの活用など、働き方改革を支援するサービスの実証実験を2017年9月から3カ月間、400人規模で検証し、人のコミュニケーション状況の分析に有効なデータを収集できることを確認した。

 提供価格(税別)は、広さ200坪、人員50人の場合で、初期導入費が200万円から、サービス費が月額10万円から。