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富士通と富士通北陸システムズ、東京都北区とAIを活用した介護保険業務の効率化に向けた実証実験を実施

 富士通株式会社と株式会社富士通北陸システムズは13日、東京都北区と共同で、AIを活用した介護保険業務の効率化に向けた実証実験を実施すると発表した。

 実証実験では、社会保障給付の適正化に向けた取り組みの一環として、北区の職員が従来人手で行っていた介護サービス事業者からの介護給付費請求の指導監督に関する業務(以下、指導業務)を、富士通のAI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai(以下、Zinrai)」を活用して効率化できることを検証する。実施期間は2018年1月~3月。

 北区では、東京都が進める「第3期介護給付適正化計画」に取り組んでおり、担当職員が介護サービス事業者の認定申請や介護給付費請求の適正性の分析を行うとともに、その分析結果にもとづいて同事業者への指導監督を行っている。しかし、近年の要介護認定者や介護施設の増加により、介護給付費支給に伴う請求内容の分析業務や指導業務が増大し、担当職員の業務負担の増加が課題となっている。

 こうした課題を解決するため、介護給付費支給に関連する指導業務の効率化を目指した実証実験を共同で実施する。実験では、富士通北陸システムズが開発した機械学習技術を活用し、北区の介護保険システムに蓄積された介護サービス事業者からの過去の介護給付費請求データなどを機械学習させ、請求内容の適正性を分析できるモデルを構築。介護給付費請求データの適正性を分析させ、その分析結果と過去の指導監督記録とを照合することで有効性を検証する。

 北区では、実証実験で得られる知見を生かし、介護給付費支給業務の効率化を図るとともに、介護サービス事業者が住民に提供するサービスのさらなる充実を目指すと説明。また、富士通では今後、実証実験で構築した学習モデルをサービス化し、全国の自治体における社会保障給付の適正化に貢献することを目指すとしている。