ニュース

介護事業者による見守り対応を支援、富士通が新サービス

 富士通株式会社は9日、高齢者ケアをサポートする「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE 居住者の見守りソリューション」(以下、居住者の見守りソリューション)のサービスを拡充すると発表した。介護スタッフによる迅速な対応を可能にする「居住者の見守りソリューション リモートモニタリングサービス」(以下、リモートモニタリングサービス)を、1月下旬より提供開始する。

 居住者の見守りソリューションは、IoTを活用して居住者の生活の様子を24時間見守るサービス。居室内に設置した音響センサー搭載の「リモートケアベース」で生活音をセンシングした上で、独自のアルゴリズムで解析し、転倒の可能性など異常が疑われる場合には、富士通グループのコールセンター経由で家族への連絡や居住者宅への駆けつけなどを行っている。

 今回ラインアップされたリモートモニタリングサービスは、入居者の介護レベルの重度化、人手不足、人的コストが課題となっている介護事業者のニーズに応える新サービス。

 介護事業者のスタッフは、居室内で一定時間生活の気配がない状態や、異常音の発生、室内の温湿度の異変といったアラームを、Webアプリの画面一覧表示で確認することができる。

 またアラームは、スタッフのスマートフォンへメールで通知されるため、速やかな駆けつけ対応を実現。さらに、スタッフが同じタイミングでアラーム通知を確認できるので、定期巡回数やスタッフ間での情報共有の効率化、複数施設の人員配置最適化などに貢献するとしている。

 オプションでは、居住者からの緊急コールや相談にいつでも対応できる緊急相談サービスを提供。居住者が「リモートケアベース」の緊急ボタンや相談ボタンを押すと、管理事務所のPC、スタッフのスマートフォンに直接電話がかかるため、速やかな対応につなげられるとのこと。

 このほか、夜間や祝日など人員確保が難しい時間帯は、看護師が24時間365日常駐する富士通グループのコールセンターに転送することもでき、事業者の運用形態に合わせたサービス提供が可能とした。

 リモートモニタリングサービスの価格は、1IDあたり2200円。

 なお富士通では、サービスの提供開始に先駆け、西日本の29カ所で有料老人ホームや高齢者向け住宅を運営する、あなぶきメディカルケア株式会社と共同で、介護現場での同サービスの導入検証を実施した。

 あなぶきメディカルケアでは、この実証実験によって、施設内や同じエリアにある施設が連携して、入居者が部屋で過ごしている様子を見守ることができ、入居者への安全・安心につながるサービスの提供だけでなく、夜勤スタッフの負荷軽減につなげることができたと評価している。