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富士通、製造業向けサービスをものづくりデジタルプレイス「COLMINA」として体系化・販売

 富士通株式会社は9日、日本の製造業における競争力強化を支援するサービスおよび設計から製造、保守までものづくりのあらゆる情報をつなげるプラットフォームを、ものづくりデジタルプレイス「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA(以下、COLMINA)」として新たに体系化したと発表した。

 COLMINAは、富士通が30年以上に渡って提供してきた製造業向けソリューションやサービスに加え、設計から製造、保守までの、あらゆる情報をつなげるものづくりデジタルプレイス。工場における人・製造物などの位置情報や設備情報だけでなく、ものづくり全般に関わる業務システムやノウハウの連携、さらに企業間でのサプライチェーン連携などを実現する。

 これらを支えるサービスとして、製造業向けの多種多様な業務サービス群「COLMINAサービス」、作業員のバイタルや製造物の位置などのセンサー情報、設備機器の稼働情報を収集・処理する「COLMINAエッジ」、COLMINAサービスとCOLMINAエッジを連携する「COLMINAプラットフォーム」を、2017年7月より順次販売開始する。価格はいずれも個別見積もり。

ものづくりデジタルプレイス「COLMINA」の体系図

 COLMINAサービスは、設計から製造・保守までの様々な業務サービスの総称で、富士通がすでに提供している製造業向けのサービスも含めて150種を順次提供予定。2017年7月より第一弾として、25種類のサービスを順次提供していく。

「COLMINA」のサービス一覧

 COLMINAエッジは、さまざまな設備機器のデータを収集し、最適なデータフォーマットの変換処理を行い、COLMINA上の各種サービスとのデータを連携する。機器との連携には、他社が提供するエッジ・プラットフォームと連携するための仕組みを提供する。

 COLMINAプラットフォームは、あらゆる企業のものづくり現場・人・ものが情報を通じてつながり、製造業の新たなサービスを生み出す基盤。さまざまな設備機器のデータを収集・分析するビッグデータ技術や、RRI(ロボット革命イニシアティブ協議会)、IVI(インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ)などの団体との活動を通じて定義した標準データフォーマットを今後実装し、APIを通じて利用可能とする。また、今後、富士通のAI技術「Zinrai」のAPIも同基盤より提供する予定。

 富士通では今後、工場自動化に向けたコンサルティングサービスや、人材や企業同士のマッチングなどの人的サービスの提供も計画。ベンチャー企業や他社がCOLMINA上でサービスを展開できる開発環境も提供し、COLMINA上でさまざまなノウハウが流通する、イノベーションのためのデジタルプレイスを提供することを目指し、2020年度にCOLMINA関連ビジネスで売上2000億円を目標とする。