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日本のビジネスに合わせた検証センターを――、F5がジャパンテクノロジーセンターを開設

 F5ネットワークスジャパン株式会社(以下、F5)は19日、F5製品の評価/テスト/検証を行うための施設「ジャパンテクノロジーセンター」を、東京・赤坂に開設したことを発表した。

 米F5 Networksがパフォーマンス検証まで可能なテクノロジーセンターを顧客向けに提供するのは、米国本社(シアトル)以外では日本がはじめてとなる。F5 執行役員 セールスエンジニアリング本部 本部長 ギド・フォスメア氏は「F5のミッションは安定したセキュアなネットワーク環境のもとでアプリケーションを顧客のもとに届けること。このミッションを日本で果たしていくためには日本のビジネスのニーズにあわせた検証施設が必要」と語り、日本市場への投資を拡大していく戦略を明らかにしている。

テクノロジーセンターでは顧客やパートナーが実際にF5製品のデモを検証したり、トレーニングを受けることも可能
F5 執行役員 セールスエンジニアリング本部 本部長 ギド・フォスメア氏

 ジャパンテクノロジーセンターはF5の顧客やパートナー企業が無料で利用できるF5製品の検証施設で、以下の3つの機能を有する。

・PoC(概念検証)ラボ――機能テスト、パフォーマンステスト、パブリッククラウド(AWS/Azure)へのアクセス、自動化/オーケストレーション(SDN)
・デモ――F5ハードウェア、パフォーマンス、セキュリティ、クラウド接続などのデモンストレーション
・トレーニング――F5カスタマートレーニング、F5パートナートレーニング、パートナーによるカスタマートレーニング、パートナーによるパートナートレーニング

 顧客やパートナーはジャパンテクノロジーセンターを利用することで、これまで数週間必要だったパフォーマンス検証を、最短1日で行うことが可能になる。例えば「すべてのトラフィックがSSLになったらアプリケーションのパフォーマンスはどう変化するのか」「クラウド環境に移行した場合、アプリケーションは期待通りに動くのか」「プライベートクラウドで自動化とオーケストレーションを実装するとどんな効果を得られるのか」といった顧客側のシナリオに対し、その期待値と現実のギャップが正確な数値として提供されることになる。

 米国本社以外では初となる検証センターを日本に開設した理由について、フォスメア氏は「日本の顧客のニーズに応えるため」と語っている。

 「日本市場では正確なパフォーマンスが数値として求められる。これは国民性もあるのだろうが、SIerが顧客に対して数値を提示したいというリクエストも多い。SIerビジネスが強い日本ならではの傾向」と指摘。

 さらに「ここ1、2年、F5がグローバル展開をしているシアターレベル(重要なビジネス拠点)の中でも、日本の成長率は2けたを超えており群を抜いて高い。F5としては引き続き日本を重点市場として投資を続けていく」と語っており、ジャパンテクノロジーセンターの開設はその投資施策の一環だとしている。

 「F5が今後、ほかのシアターで同様のテクノロジーセンターを開始していく上でも、性能や品質に対して世界でもっとも厳しい目をもつ日本市場で先に展開することで、さまざまな判断材料を得られると期待している」(フォスメア氏)。

F5はグローバルでテクノロジーセンターを展開するが、シアトルの本社以外で負荷検証を含む性能検証を行えるのは東京だけとなる

 F5は2016年11月にフラグシップ製品であるBIG-IPラインを刷新、新たに「BIG-IP iシリーズ」として展開中で、クラウドとセキュリティを事業の柱とする方針を前面に打ち出している。

 ジャパンテクノロジーセンターではBIG-IP iシリーズの検証も行っており、旧モデルから新モデル(iシリーズ)への移行をデモとして再現することも可能だ。

 日本企業にとってアプリケーションの移行はクラウド導入の大きな障壁となっているが、さまざまなクラウド環境に柔軟かつセキュアに対応可能なBIG-IP iシリーズとともに、事前の性能検証を実現するジャパンテクノロジーセンターが、そうした企業を支援する存在になれるかに注目していきたい。

ジャパンテクノロジーセンターではBIG-IPシリーズの旧モデルから最新モデルまでを揃えており、あらゆる移行の検証に備える
IXIAの「Perfectstorm ONE」とF5 BIG-IP iシリーズの最上位モデル「BIG-IP i 10000」が稼働するテクノロジーセンターは、性能検証が可能なシアトルと東京だけとのこと