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パーソナルデータの企業利用に根強い不安……活路は「拒否権」にあり?~日立と博報堂が調査

パーソナルデータの企業利用について、期待と不安のどちらが大きいか聞いた結果

 株式会社日立製作所と株式会社博報堂は2日、「第三回 ビッグデータで取り扱う生活者情報に関する意識調査」の結果を発表した。いわゆる「パーソナルデータ」の利用について、不安が期待より大きいとする回答者が過半数を占めていることが分かった。

 調査は9月15日に実施。全国の20~60代の男女1030名が回答した。日立と博報堂では、同テーマの調査を2013年・2014年にも実施しており、時間の経過に伴う利用者意識の変遷にも着目した。

 なお、今回の調査で取り扱うパーソナルデータとは、特定の個人を識別できる「個人情報」に加え、個人識別することなく商品購入履歴や位置情報を参照する行為が含まれる。

 企業や公的機関によるパーソナルデータの利活用について、期待と不安のどちらが大きいかを聞いた設問では、「不安が大きい」「やや大きい」の合計が52.0%で、前回2014年調査の48.8%を上回った。これに連動するかたちで、「期待が大きい」「やや大きい」「同じくらい」のいずれも前回調査からポイントを落とした。この背景には、情報漏えい事件の多発があると、レポートは指摘している。

 パーソナルデータの利活用で不安を感じる点を複数回答で聞いたところ、1位から順に「利活用をされたくない場合に、本人に拒否権がない」59.3%、「規約類に書かれているものと異なる目的で利活用される恐れがある」52.3%、「利活用の目的や内容の説明が十分でない、分かりやすく公表されていない」51.0%だった。

 利用に対する拒否権がないのが不安という回答者542人に対し、その軽減策を聞いたところ、77.5%が「本人からの求めがあれば、いつでもパーソナルデータの利用を停止する」を支持。企業側が適切な施策を用意することで、生活者の抵抗感を軽減できるという。

 また、パーソナルデータ利用の同意を得る際の説明として、「利用目的」「第三者への提供の有無」「問い合わせ先」が重要とする回答者が多かった。

 今後発展が期待されるIoTやAIについても、不安だと感じる回答者はそれぞれ46.3~48.6%に上った。その理由について、IoTで最も多かったのが「接続機器が増えることによってデータ漏えいの可能性が高くなっていること」の48.9%、AIでは「自信のデータを確認や削除できないこと」の39.0%だった。

IoTおよびAIに対する意識調査の結果