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2016年の国内IT市場規模は前年比0.4%減の14兆5683億円、IDC Japan調査
2016年7月4日 17:08
IDC Japan株式会社は4日、国内IT市場および産業分野別の動向について、2015年下半期の実績および2016年~2020年の市場規模予測について発表した。
2015年の国内IT市場規模は14兆6284億円で、前年比0.6%減のマイナス成長となった。分野別では、「通信/メディア」が携帯電話基地局関連への設備投資などの抑制傾向が進んだことから前年比8.9%減となり、全体の成長率を押し下げたとしている。
一方、全体の成長率を押し上げた産業分野としては、大型案件が継続する「銀行」と、オムニチャネル推進に関連した投資が進む「小売」を挙げている。IDC Japanでは、両分野は2016年以降も堅調な成長率を維持すると予測している一方、不安定な中国経済や中東情勢など海外経済のリスクが懸念される中、これまでIT投資が堅調に推移してきた製造業分野で、投資の積極性が若干弱まると予測している。
2016年の国内IT市場規模は14兆5683億円で、前年比0.4%減のマイナス成長を予測。2015年~2020年の年間平均成長率は0.8%、2020年のIT市場規模は15兆2413億円に達すると予測している。この間は、東京オリンピック/パラリンピックを次年に控える2019年をピークにIT投資が堅調に伸び、2019年の成長率はプラス2.8%となるが、その反動で2020年は前年比1.0%減のマイナス成長になるとしている。
「製造」「運輸/運輸サービス」「公共/公益」「情報サービス」の各分野は、2016年は比較的緩やかな成長を見込んでいるが、2017年以降は2019年をピークに堅調な成長を予測。東京オリンピック/パラリンピックを控え、クラウド、ビッグデータ/アナリティクス、モビリティ、ソーシャル技術などからなる“第3のプラットフォーム”やIoTなどを活用した社会インフラ整備に関連する投資が、成長率を押し上げる要因として挙げている。
IDC Japan ITスペンディング マーケットアナリストの岩本直子氏は、「業務の現場で第3のプラットフォームの活用が進む現状を踏まえ、ITベンダーはユーザー企業の業務への理解をいっそう深め、テクノロジーが現場の課題解決や生産性向上にどのように貢献できるのかに提案の焦点を合わせるべきである」と述べている。