週刊海外テックWatch

Claude Codeソースコード流出 Anthropicの失態で始まったエージェントの再実装競争

「クリーンルーム」で始まった再実装競争

 Claude Codeの機能を再現する動きも活発になっている。

 カナダのブリティッシュコロンビア大学の学生、Sigrid Jin氏らは、Python(後にRust)ベースの派生プロジェクト「Claw Code」をわずか数時間でGitHub上に立ち上げた。ここで注目されたのは、流出コードを1行もコピーすることなく、仕様だけから同等の機能をフルスクラッチで再現する「クリーンルームリライト」という手法だ。

 著作権法上は「表現」(ソフトウェアであればコード)が保護対象となる。クリーンルームリライトは、元のコードを1行もコピーしないので「新たな創作物」であるという理屈で、Jin氏は「完全に合法的なやり方」と主張している。Anthropicが4月1日にGitHubへDMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づく削除要請を出した際にも、Claw Codeは対象とされなかったようだ。

 著作権をめぐっては、Claude Codeの開発者Boris Cherny氏の2025年12月のXへの投稿も掘り起こされた。「過去30日間、私がClaude Codeに加えた変更は100%Claude Code自身が書いた」というものだ。米国の著作権法では、AI生成のコードには著作権が認められないという判例があり、そもそもAnthropicが著作権を主張できるのかという疑問を浮かび上がらせた。

 Anthropicが今後、どんな対応をとるのかは明らかではないが、難しい局面となるだろう。

 一方、この熱狂の中で、ダークサイドの動きも出ている。The Registerによると、数万人が流出コードを探してダウンロードしたが、その一部が認証情報窃取マルウェアに誘導されたという。流出事件が「おとり」に利用されたのだ。さらに、流出したコードは悪意あるハッカーに、Claude Codeのバグや、サイバー攻撃に利用できる多くの情報を与える。

 AIが自らの設計図を読み解く時代で、情報流出の影響は極めて大きなものとなっている。