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Virtustream買収 ハイブリッドクラウドを目指すEMC

ハイブリッド戦略を強化

 EMCにとってクラウド企業の買収はVirtustreamで4社目となる。2014年秋にCloudscaling、Maginatics、Spanningの3社を立て続けに買収し、パブリッククラウドとオンプレミスの組み合わせであるハイブリッドクラウド戦略を打ち立てた。

 CloudscalingはOpenStackベースのクラウドコンピューティングシステム「Open Cloud System」を持ち、エンタープライズ級のOpenStackベースのハイブリッドクラウドソリューションを提供する。Maginaticsはさまざまなデバイスからのアクセスを可能にするクラウド間のデータ保護技術を、そしてSpanningはクラウドアプリケーションとデータ向けにバックアップ・リカバリ技術を提供する。

 Virtustream買収はこれらに続くものだが、メディアの反応は概ね好意的だ。たとえばTechCrunchは「正しい方向に向かう大きな一歩だ」とした。買収により「大企業顧客はSAPなどのソフトウェアのクラウドへの移行に苦心しており、これに対応できることになる」ためだ。これはクラウドの中でも大きな事業だという。

 IDCのアナリスト、Stephen Elliot氏は既存のクラウドポートフォリオの穴を指摘する。EMC傘下のVMwareはvSphereをベースとしたパブリッククラウド「vCloud Air」を提供するが、vCloud Airは大企業のニーズを満たしていないとElliot氏はBloombergに言う。「Fortune 1000のような大企業は、経済的にクラウドのモデルが実証され、コントロール、セキュリティ、規制順守などのリスクが緩和されるのであれば、ワークロードを移したいと思っている」と述べ、Virtustreamがこの穴を埋めるとの考えを示した。

 GartnerのアナリストLydia Leong氏はWashington Postに対し、サービス企業に12億ドルという金額は高いという見解を示した。だが、VirtustreamのビジネスとIP(知的所有権)を考えると妥当だろうと続けている。

(岡田陽子=Infostand)