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PCの次の革新? Microsoftのホログラムデバイス「HoloLens」

「Microsoft最大のイノベーション」

 メディアはMicrosoftのサプライズを興奮とともに報じた。New York Timesは「将来のPCのセンセーショナルなビジョン」と題した。会場でのデモは周到に準備されたもので、披露したものはプロトタイプだったとしながらも、「実にすばらしい」「圧倒された」「ギミックではない」とMicrosoftの開発力を称賛した。

 そして、サクサクと動作する段階ではないが、「ホログラムを使ったインタラクションは、将来われわれがどのようにマシンを使うのかで重要な部分を占めるのではないか」とする。

 New Yorkerは、Microsoftの発表会はジャーナリストにとっては仕事だから行くものであって「期待は低かった」が、HoloLensは「全員を驚かせた」と言う。11年前に誕生したFacebook、8年前のiPhone発表、5年前のiPad発表の後、業界は次のイノベーションを模索しており、「HoloLens、あるいは何らかの変化形が、業界が待ち望んでいたもの(イノベーション)なのだろうか?」と問う。記事のタイトルは、「Microsoftがやっと興味深いことをするようになった」。

 Mercury NewsのコラムニストLarry Magid氏は「個人的には(2015年に登場予定の)Apple WatchよりもMicrosoft HoloLensの方にワクワクしている」と記す。Kinectチームが中心となって5年前から開発してきたことを明かしながら、「Microsoftの40年の歴史で最も野心的なプロジェクトかもしれない」とする。

 同じく、Microsoftにとって重要な製品となるという見方をしたTom’s Guideも、「コンピューターインターフェイスにおいて、DOSからWindows以来の最大の変化」と評した。そして、1980年代の映画「ターミネーター2」でみたようなARの世界がHoloLensにより「やっとメインストリームになるのかもしれない」とみる。

 ARアプリでは、既に「Wikitude」「Amazon Firefly」「Google Goggles」などが登場しているが、あまり普及していない。背景として、「ARをフルに利用できる専用のデバイスが必要だ」とし、HoloLensがその役割を担うことに期待を寄せた。

(岡田陽子=Infostand)