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何が起こった? Googleパブリッククラウドの18分間のダウン

低コストより信頼性

 Gartnerのアナリスト、Jason Read氏は、今回の障害は全リージョンに影響したという点で大きいと見る。Read氏はTechTargetに対して、「Googleの障害は理論的に、このような事態が起きない対策を講じていたが、それが効かなかったということになる」とコメント。「異なるレベルで冗長性を確保する必要があり、異なるレベルで詳細に注意を払う必要がある。これを行うのには時間がかかる」としている。

 クラウドが重要なインフラとなる中、クラウドの障害は無視できない。Motherboardは「18分間のダウンタイムはインターネットを崩壊させたわけではない」としながらも、「GoogleであれAmazonであれ、クラウドは心配無用ということを示さなければならない。これは当然のことながら、まだ実現できていない」と述べている。The Registerは、2015年2月に発生したパッチミスによる障害、同11月に発生した欧州西1リージョンでの障害、2016年2月末のクォータ削減、とここ約1年間に、何度かトラブルがあったことを指摘している。

 TechTargetは、Googleのシェアが低いため、大きなニュースにならなかったが、もしAmazonだったら世界が注目しただろうとする。だが、Googleにとっては、パブリッククラウドで戦っていくにあたって、こうしたミスはマイナスになりかねない。おりしも、AppleがAWSからGoogleクラウドに移行するとの予測記事が3月に出たばかりだ。

 Forrester Researchのアナリスト、Dave Bartoletti氏はTechTargetにこうコメントしている。「GCPは今まさにエンタープライズ顧客を獲得しつつある段階であり、大手企業はGCPのコアである低コストアプローチを好むだろう。だが、長期的には信頼性はコストに勝るのだ」。

岡田陽子=Infostand