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Twitterの新事業? オンラインタレント仲介のNicheを買収

狙いはVineの収益化、そして

 TwitterはNicheの買収額を公表していないが、Re/Codeは最大で6000万ドル、Fortuneは4500万ドルから5000万ドルと推測している。TwitterはNicheをどう使うつもりなのだろう。

 メディアが真っ先に挙げるたのはVineのマネタイズだ。VineはTwitterが2012年に買収した動画共有サービスで、最長6秒の動画を投稿・共有できる。秒数の制限のためアイデアやインパクトが物を言うという独自の世界だ。毎月1億人のビューがあるが、TwitterはこれまでVineのマネタイズに積極的に動いてなかった。

 Business Insiderによると、企業はNicheのキャンペーン(コンサルを含む)サービス利用に1万5000ドルから15万ドルを支払っているという。Nicheは開始後最初の6カ月で75万ドルを売り上げており、2015年の売上高は1000万ドルを上回ると予想されていた。

 Fortuneは「Twitterはこれでやっと、Vineで収益を得る計画を持つことになる」とする。Twitterはそのままで、Vineで活躍する“Webセレブ”のエージェンシーとして手数料を得ることができ、さらには、You TubeやInstagramなどVine以外のサービスからも収益を得ることになる。

 こうしたことから、Ad Ageは「Niche買収は、Twitterが動画広告を強化することを示すものだ」とする。この分野は現在、GoogleとFacebookが独占していることも付け加えている。

 実際、TwitterのCEO、Dick Costolo氏はBloombergのインタビューで、「(Vineで活躍する)“Viner”にマネタイズのチャンスをもたらすもので、その始まりと言える。素晴らしい物語を作り出すことに長けたVinerたちの才能を活用したい企業にとっても朗報になる」と述べている。

 Re/Codeは、この買収はTwitterの広告事業にもプラス効果が望めるのではと予想。「Twitterにとって最大の魅力は、Twitterの広告主に付加価値としてNicheのサービスを提供できることだ」と述べている。Mac WorldもTwitterとNicheがすでに提携関係にあったことに触れ、Nicheを傘下に収めたことで「広告主を引きつけることができる」としている。

(岡田陽子=Infostand)