Infostand海外ITトピックス

Googleが配車サービスに参入?  Uberとの関係に異変か

 配車サービスのUberとGoogleは出資などを通じて関係が深い。一時は買収のうわさも出たくらいだが、その関係が急変しているようだ。無人の自動運転カーを開発中のGoogleが、Uberと競合するサービスを開発するという話が飛び出した。同時に、Uberが自動運転の研究開発でカーネギーメロン大学との提携を発表した。かつての親密な関係が、ある日競合するようになる例は多い。自動運転カーをめぐる戦いに火が付いた。

Google投資部門で最大の投資先

 サンフランシスコ生まれのUberは、モバイルと位置情報を活用した効率のよい配車サービスで既存のタクシー業界を揺るがしている。ユーザーが現在地と目的地をアプリに入力すると、乗客をピックアップできる最寄りの登録ドライバーに情報が送られる。アプリは目的地までのルート、所要時間、料金、そして迎えに来る車の現在地と待ち時間などを表示する。料金は明快。支払いのやりとり不要で、クレジットカードから引き落とされる。

 こうした効率、わかりやすさなどが受け入れられ、Uberはタクシーが拾いにくい都市部で人気を獲得した。世界的に展開を広げるUberはベンチャーキャピタルの注目の的でもあり、2014年末時点での評価額は410億ドルに達する。これを上回るのは“中国のApple”ことXiaomiだけだ。

 そのUberにGoogleは早くから出資している。ベンチャー投資部門のGoogle Venturesを通じて2013年8月、過去最大の2億5800万ドルを出資。翌2014年にも追加出資している。また、Googleの最高法務責任者でコーポレート開発担当シニアバイスレジデントのDavid Drummond氏がUberの取締役に就任している。

 UberがGoogleに依存しているのは財務面だけではない。Uberのアプリは「Goole Maps」をベースとしており、UberのモバイルアプリはiOS、そしてGoogleのAndroidで動く。

 こんなGoogleとUberの蜜月状態が、急変しつつあるという。Bloombergの2月2日の特ダネによると、GoogleがUberと同じような配車サービスを開発中で、同社が以前から取り組んでいる無人運転カーと連携する可能性が高く、すでにGoogleの社員が利用している模様という。さらに、Uberの取締役を務めるDrummond氏が、Uberの幹部にこのアプリの画面ショットを見せたとも報じている。

(岡田陽子=Infostand)