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CESのフォーカスはIoT 「主役はサービスへ」

IoTで復活狙う BlackBerry

 ビジネス向けスマートフォンで市場をつくったBlackBerryも、CESでIoT戦略を打ち出した。同社はスマートフォンでの存在感が薄れたとはいえ、組み込みOS「QNX」を持っている。今回発表した「BlackBerry IoT Platform」は、QNXをベースに顧客がIoTアプリケーションを安全な環境で構築できるクラウドサービスで、まず自動車と資産追跡の業界をターゲットとしている。

 同社の再建のため、2013年に外部からCEOに着任したJohn Chen氏は「お楽しみはこれから」としてIoT時代への期待を語った。Chen氏のスピーチを報じたBarron'sによると、BlackBerryのソフトウェアは5000万台の自動車に搭載されており、ASIC(特定用と向け集積回路)チップの出荷は4億に達したという。BlackBerryはセキュリティ機能が強いとされており、プライバシーとセキュリティへの懸念は自社への追い風になるとChen氏は述べた。

 通信事業者AT&Tも、負けてはいない。同社はベータとして運用してきたクラウドベースのデータストレージ「AT&T M2X Data Service」を正式版としてローンチした。インターネットに接続したIoTデバイスが利用できるデータストレージで、企業がデータの収集と分析を行うことができる。既にEmerson、WiPro、Samsung、Ericssonなどが同サービスを統合しているという。

 AT&Tは合わせて、クラウドベースのIoTアプリ開発ツール「Flow Designer」のベータ版も発表し、IoT事業を強化した。

 このほかにもCESでは、IoT関連の製品やサービスが多く、メディアの関心も高かった。RCR Wireless NewsはCESで発表された家庭向けのIoT製品の特集ページを組み、ComputerWeeklyはFord、Mercedesなど、CESで発表された自動車業界のIoTを取り上げている。

(岡田陽子=Infostand)