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クラウドはさらに拡大 2021年調査会社予想

「バーチャル往診の比率が5%に急増」

 Deloitteの2021年の予測レポート「Technology, Media, and Telecommunications Predictions 2021」では、パンデミックがクラウド全体の成長を押し上げるとみている。

 2021年の世界のクラウド支出は、IT支出全体の7倍の速度で成長すると予想。中でもハイブリッドクラウドにフォーカスして、「ハイブリッドクラウドはニューノーマル」と記している。

 「2022年には世界の大企業の90%以上がハイブリッドクラウドに依存するだろう」「ITマネージャーの97%が、回復力の最大化や規制準拠のために2種類以上のクラウドを使ってワークロードを分散させる計画」としている。

 新型コロナは変化の方向を変えるのではなく、加速する触媒の役割を果たしたと言われる。Deloitteも「5年分の変化が5カ月で起こった」と言う。

 特に、クラウドを応用したユースケースとして遠隔医療を取り上げ、2019年には1%に過ぎなかった動画利用のバーチャル往診が、2021年には5%に急増すると予想する。往診市場が85億件(金額にして5000億ドル)であることを考えると、「一ケタ成長でも大きなインパクトになる」という。

 クラウドやネットワークを活用した例としては、ほかにも教育や企業における「デジタルリアリティ」(VRやARを総称した“XR”)の受け入れが進み、2021年は2019年比で2倍になるとの予想も出している。

 Bloombergは投資家の視点から、2021年のテックトレンドを「クラウド」「ビデオゲーム」「EC」とした。クラウドについては、Cowen Researchの調査で「企業の半分近くが、クラウドコンピューティングへのアップグレードという点で、まだ早期段階に過ぎないと回答した」ことを挙げ、今後数年間は成長が続くとみている。