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Facebookが専用スマート端末「Portal」発表 だが非難の嵐

止まらないFacebook不信

 Facebookはこのところ、プライバシー関連の問題が相次いでいる。今年3月、英Cambridge Analyticaのデータの不正流用が発覚し、CEOのMark Zuckerberg氏が議会の公聴会で証言するなど、対応に追われた。Portalはもともと春の自社イベントで発表する予定だったが、この騒ぎで延期したという。さらに、9月末には5000万人分のユーザー情報が流出した可能性が報じられたばかりだ。そんな中でのPortalの発表は、歓迎どころか非難の嵐を起こした。

 Market Watchは「間違いなく2018年のワーストハイテク製品に入る」と酷評。「Facebookはユーザー情報を吸い取るソフトウェアに加え、カメラとマイクがついたデバイスを家に置いてもらおうとしている」「すぐに情報が得られるとして家に置かれるが、これらは潜在的に大きなプライバシー問題を抱えた“トロイの木馬”だ」と続けた。

 Facebookはプライバシー懸念を払拭しようとしている。Portalのカメラとマイクは無効化できること、カメラカバーが付いていること、パスコードによる画面ロックなどの機能があることなどを説明。Smart CameraとSmart SoundのAI処理は、端末上で行われ、Facebookのサーバーにユーザー情報は置かれないと約束している。

 しかし、Market Watchは「消費者は、このデバイスは適切に保護できるのか疑問を持っている」とのプライバシー擁護団体の主張を紹介。Facebookが、いったん延期した発表をここで行ったのは、年末商戦に間に合わせたかったのだろうとしながら、「Portalのアイデアは、永遠に棚上げすべきだった」と述べている。

 Engadgetは、同時期に発表されたGoogleの「Google Home Hub」と対比しながら、「Home Hubの最も重要な特徴は、カメラを持たない」「Googleはプライバシーが利便性に勝つと賭けている。これは正しい賭けだ」と論評している。

 The Vergeは「デバイスのレビューで、ジャーナリストたちが、ここまで同じ結論に達したのは初めてた」と述べ、Portalへの各メディアの批判的な記事を紹介している。例えば、「Portalはカメラと画面を持つかっこいいデバイスで、家族や友達と簡単にチャットできる。たった一つの問題は、これをMark Zuckerbergが作ったという点だ」(Washington Post)、「hell no(絶対ヤだ)。これが最初のリアクションだ」(USA Today)などだ。