クラウド方式の「TKC法人電子申告システム」利用企業が1000社を突破
「TKC法人電子申告システム」利用企業が1000社を突破
電子申告普及や内部統制の強化など背景に、2年間で急増
株式会社TKC(代表取締役:髙田順三/本社:栃木県宇都宮市/資本金:57億円)は、このほど当社が開発・提供する「TKC法人電子申告システム(ASP1000R)」を採用する中堅・大企業(主に上場企業とその子会社)が1,000社を突破したことを発表しました。
ASP1000Rは、全国1万名超のTKC全国会会員(税理士・公認会計士)が利用する「法人決算申告システム(TPS1000)」と、「TKC電子申告システム(e-TAX1000)」のノウハウを活かして開発された、中堅・大企業およびその子会社向け税務申告書作成システムです。
本システムは、クラウド方式(ASP)により提供しているもので、現在、全国554グループ・1,008社の中堅・大企業に採用されています。
今回、採用が決まったのは福島県内の企業です。ASP1000Rは、平成19年1月に提供を開始して以来、順調に利用社数を伸ばしてきましたが、特にこの2年ほどの間に700社で採用されるなど、急速に注目度が高まっています。
背景には、大きく(1)地方税電子申告サービスの実施市区町村の拡大(4月1日現在で1,061市区町村)、(2)内部統制の強化――の2つの理由が挙げられます。
特に後者については、決算・財務報告プロセスでは法人税申告の計算集計等に、利用者自らが構築したスプレッドシートが広く利用されてきましたが、この部分における内部統制の有効性の評価を確実なものとするためにシステム化が進んでいるものと考えられます。
また、すでにシステム化している場合でも、一般に税務申告書の作成システムは、会計事務所向けに提供されたものを企業用として転用されることが多く、担当者には専門知識が求められるなど、地方税分割計算や外国税額控除など中堅大企業特有の処理に関する機能面で不足が生じています。
さらに、東日本大震災の影響により滅失・損壊した資産等の損失、あるいは費用の損金算入など、さまざまな税の減免措置が適用されることで税務の複雑化が避けられず、中堅・大企業におけるシステム化のニーズは一段と高まることが予想されます。
この点、「ASP1000R」は、中堅・大企業向け専門に開発されたクラウド方式のシステムで、適正な法人税・地方税の申告書の作成から電子申告まで“一気通貫”で簡単に処理することができます。また、税法に完全準拠しているほか「いつ・誰が・何を処理したのか」といったモニタリング、あるいは法人税等・繰延税金の計算プロセスにおけるリスクの徹底排除などにより、「タックス・コンプライアンス」や「内部統制」の観点からも有効な処理が可能となります。
さらに、会計・税務の実務に精通した全国の「TKC全国会中堅・大企業支援研究会」会員(税理士・公認会計士)が、システムの導入から運用まで、きめ細かなサポートを行うという点でも他社システムとは一線を画しています。
TKCとTKC全国会では、「ASP1000R」の需要急増に備え、中堅・大企業に対する支援体制の一層の強化へ取り組みます。
TKCでは、今年1月に掲げた『これから10年の骨太の方針』において、第53期(平成30年10月~平成31年9月)までに上場企業とその子会社(約3万社)の50%への導入を目標に掲げており、まずは中期目標として第47期(平成25年9月末)までに現在の倍増の2,200社への導入を目指します。
■「TKC法人電子申告システム(ASP1000R)」の概要「TKC法人電子申告システム(ASP1000R)」は、中堅・大企業において企業グループ全体の決算・申告にかかる業務を効率化する「TKC連結グループソリューション」の一つに位置づけられるシステムです。
1.システムの特長
(1)税法に完全準拠しています。
(2)四半期決算における法人税等・繰延税金の計算に対応しています。
(3)国税・地方税の電子申告に完全対応しています。
(4)法人税等・繰延税金の計算プロセスにおけるリスクを徹底排除します。
(5)「決算の早期化」に対応するために入力業務の効率化を支援します。
2.提供開始 平成19年1月
3.導入実績 554グループ・1,008社(平成23年3月末現在)
「TKC全国会中堅・大企業支援研究会」は、中堅・大企業に対するTKC会員の支援体制を強化すべく、平成22年10月に発足したTKC全国会の研究会です。
現在、912名のTKC会員が参加し、中堅・大企業に関する制度や会計・税務等の調査研究を行うほか、セミナーの企画・開催などを行っています。