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OpenIndiana Project、OpenSolaris系の無償OS「OpenIndiana」デベロッパー版を公開

2010年9月14日(GMT)に、「OpenIndiana Project(http://openindiana.org )」は、新OS「OpenIndiana」の概要の公開と、デベロッパー版のリリースをいたしました。OpenIndianaは、OpenSolaris系の新ディストリビューションで、CDDLのもと配布されている無償のOSです。現在、PC/AT互換機にて動作させることができます。

公式サイト: http://openindiana.org/
英語版プレスリリース: http://wiki.openindiana.org/oi/Press+Release
日本語版プレスリリース: http://wiki.openindiana.org/oi/Press+Release%28JP%29

下記は、OpenIndiana Projectが公式サイトで掲載しているプレスリリース文の日本語版となります。

●はじめに

私たちは、OpenIndianaをアナウンスできることを光栄に思っています。

OpenIndianaは、コミュニティによるコミュニティのためのOpenSolarisのディストリビューションです。今すぐ、ダウンロードして試すことができます。OpenIndianaはOpenSolarisの成果物を元に、Oracle Solaris 11と、Solaris 11 Expressとバイナリ、パッケージ互換を持ちます。

私たちの最初の成果物(build)は、テスト用として作成した開発版(development branch)です。

私たちは現在も安定版(stable branch)の作成に取り組んでいます。安定版は、セキュリティホールの修正、 バグフィックスのアップデートが行われ、プロダクションユースで利用できる、完全に無料のOSとなります。

● 概要

* オフィシャルWEBサイトは、http://openindiana.org/ です。
* 本プロジェクトはフォーク(fork)ではなく、先割れスプーン(spork)です。オフィシャルのSolarisのソースコードと、コミュニティによる拡張をマージしていきます。
* OpenSolarisと代替可能なディストリビューションです。
* 開発版(development branch)のLive ISOイメージは、今すぐダウンロード可能です。
* 安定版(stable branch)のリリースは近々予定しています。
* 安定版(stable branch)は、プロダクションで利用出来るOSとし、セキュリティアップデートや、バグフィックスを提供します。
* Illumos Foundationの一部となります。
* 将来、Illumos Projectを利用する予定です。(現在は、Oracle配布のONを利用しているため、一部のクローズドバイナリがありますが、Illumos Projectに置き換わることで、完全なオープンソースとなります)
* それまでの間は、Illumosはオプショナルのパッケージとして用意する予定です。
* コミュニティによる統治と運営。Oracleからの支援はありません。
* CDDL/BSD/MIT ライセンスです
* アクティブな開発メンバーを募集しています。一緒に、OpenIndianaを作りましょう!

● OpenIndiana -- コミュニティによるディストリビューション

OpenIndianaは、OpenSolarisの新しいディストリビューションです。コミュニティのために、コミュニティによって作られています。我々の最初のゴールは、Oracle OpenSolaris、予定されているSolaris 11、Solaris11 Expressと、バイナリ、及びパッケージの互換性があり、代替可能なディストリビューションを作り上げることです。

OpenSolarisディストリビューションは、コミュニティではなくSun/Oracleによって作成されてきました。その結果、ユーザには様々な懸念がありました。たった1つの企業による提供であるために、彼らのビジネス的な事情に縛られること。利用は無料であっても、バグフィックスとセキュリティアップデートがサポートサブスクリプションを買わなければ手にはいらない事実。コミュニティによるOSへの関与の制限。ビジネス的な事情による、厳しすぎるライセンス事項など。

コミュニティが携わることによって、ユーザに本当の透明性を提供し、アップデートや、バグフィックス、セキュリティフィックスのアップデートを提供することができます。そしてOSの利用者に対して、未来に渡る安?を提供することができます。

私たちは、このディストリビューションが、OpenSolarisのコミュニティにとって、次の大きなステップになることを信じて疑いません。

● 独立性と協力

広義のOpenSolarisのコミュニティ(OpenSolarisとその派生全てのコミュニティ)の今後の発展のために、我々の成果はOracleと協力、共有しあうことになりますが、その間も、OpenIndianaは独立性と保安を維持します。私たちは協賛するエンジニアや、関係者に対しても、親しみやすく、オープンで、アクティブな環境を促進していくつもりです。それは、Sun/Oracleの管理下の元では純粋に実現出来なかった方向性です。

現在、Illumos ProjectがOpenSolarisに未だ残るクローズドなバイナリ(closed-bin)のオープンソース実装を?っておりますが、 OpenIndianaはそれらを採用し、本当の意味でオープンソースのOSのディストリビューションを確立するように努めています。私たちはそれが、オープンソースコミュニティに、はやく受け入れられることを望んでいます。

また、誰でも迅速にかつ簡単に、ソースコードからOSをコンパイルする環境構築、方法についても明文化していくことで、これまでよりも簡単にOpenSolarisオペレーティングシステムの拡張をしやすくします。

最後に、Linuxユーザがなるべく簡単に移行することができるように、我々はOpenSolarisオペレーティングシステムの使いやすさも強化していきます。重要な例としては、多くのLinuxと同じように、ソフトウエアのアップデートを、無料かつオープンな方法で実現するつもりです。

もちろん、OpenSolarisには、他のOSにはないようなエンタープライズ向け機能があります。ZFSファイルシステム、Zone、 SMF(Service Management Framework)、FMS(Fault Management System)、COMSTAR iSCSI/FCoEフレームワーク、Crossbow(仮想ネットワークスタック)など、これはOpenSolarisの優位性だと我々も確信しています。

● 現状に関して

私たちの最初の開発リリースは、oi_147で、現在、すでにダウンロードして試すことができます。

3つのバリエーションも用意しています。

1つは、Live DVD。グラフィカルなインストーラーがあり、フルデスクトップ環境がインストール出来ます。2つめに、Text Installer CD。サーバ用の小型のインストールセットです。3つめに、Automated Installer ISO。XMLによる定義ファイルにより、カスタマイズしたインストールをすることができます。

OpenSolarisの環境から、IPSレポジトリ経由でOpenIndianaへのアップデートも可能です。詳しくは我々のWEBサイトを参照してください。

OpenIndianaは、まったく新しいプロジェクトです。そして、最初の開発版は、めまぐるしく変わり、まだ大きなバグもあります。とくに最初の開発版は、実際のところ、テストを通過していません。ぜひ、我々のバグトラッカーに、これらのバグを報告してください。あなたの貢献が、安定版へとより近づくでしょう。

● プロジェクトに貢献するには

このディストリビューションの成功は、私たちコミュニティの成功に委ねられています。コミュニティの成功とは、皆さんの参加、協力、貢献によって成り立ちます。

そのため、私たちは、皆さんの参加を受け?れるために、Wiki、メーリングリスト、IRCチャネルなど、いくつかのインフラを用意しています。また、公開用の最新の開発版IPSレポジトリサーバや、ソースコードを参照するための、mercurialのレポジトリサーバなども用意しています。

さらに、コミュニティの動向を公開するためのWEBサーバにもまだまだ余裕があります。
待つだけでなく、今すぐ、下記のリンクからコミュニティに参加しましょう。我々は皆さんの参加をお待ちしております。

[OpenIndiana is based on OpenSolaris. Solaris, OpenSolaris and ZFS are trademark of Oracle Corporation.|http://hub.opensolaris.org/bin/view/Main/trademark]

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2010/9/22 12:50