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米Aruba、最新のグローバル調査「Mobility, Performance and Engagement」を発表
モバイルへの最適化が生産性や業績に好影響
(2016/5/20 11:48)
米Aruba, a Hewlett Packard Enterprise company(以下、Aruba)は19日、同社の協賛でEconomist Intelligent Unit(EIU)が実施した最新のグローバル調査「Mobility, Performance and Engagement(モビリティ、パフォーマンス、エンゲージメント)」の結果について、プレス説明会を開催した。説明会では、Aruba マーケティング担当バイスプレジデントのクリス・コザップ氏が来日し、調査結果の重要部分や日本の特徴などについて解説したほか、今年3月に実施した同社の年次イベント「Atmosphere 2016」で発表した最新の製品アップデートについても紹介した。
コザップ氏は、まず調査の目的と概要について説明。「スマートフォンやタブレット端末の普及拡大にともない、使用するデバイスと、仕事やプライベートへのアプローチの両面でモバイルを優先する従業員グループ#GenMobileが台頭しつつある。今回の調査では、この#GenMobileにフォーカスを当て、企業組織の経営層や部門リーダーにとって#GenMobileの価値を明らかにするため、モバイルテクノロジーへの投資、従業員エンゲージメントやビジネスパフォーマンスとの間に計測可能な関連性が認められるかどうかを検証した。調査は、世界9か国、企業のフルタイム・オフィスワーカー1865人を対象に行われ、日本からは237人が回答した」という。
「モビリティのメリットを測定したところ、モバイルテクノロジーの活用をいち早く進めた企業では、従業員エンゲージメントの向上によって、ビジネスにおけるメリットが拡大していることが数値で証明された。具体的には、職場の生産性は16%向上、創造性は18%、従業員の満足度は23%向上、そして従業員の忠誠心も21%向上していた。たとえば、1週間の労働時間を40時間として、生産性が16%アップすると、新たに6.4時間が創出できる。1年間で計算すると、41日間以上もの業務時間が生まれることになる」と、モバイルに最適化した企業では従業員エンゲージメントや生産性が向上していることが明らかになった。
「また、モバイルはミレニアル世代だけでなく、あらゆる世代にとって大きなビジネスメリットとなることが浮き彫りとなった」と、コザップ氏は話す。調査では、18歳から65歳の各年齢層でモバイルテクノロジーの活用による生産性の向上を評価。この結果、18歳から35歳では61%、36歳から50歳では59%、51歳から65歳では60%と、すべての年代を通じて生産性が向上したと回答していた。「さらに、自分がモバイル技術を積極的に取り入れるアーリーアダプタであると考えている従業員は、他の従業員よりも生産性が高く、職場での満足度も高くなっていることがわかった。とくに日本では、いつでも、時間と場所を選ばずに業務ができることが、仕事を選択する際の大きな要素になっていると28%が回答しており、世界平均の25%を上回った」と、モビリティに積極的に投資する企業は優秀な#GenMobileを確保できる可能性があるとの見解を示した。
「今回の調査結果から、CIOや情シス部門長は、#GenMobileのニーズを満たす周到なモバイル戦略を策定し、これを実行することで、会社の業績拡大に貢献できることが明確になった」と、コザップ氏は、BYODを始めロケーションやアプリケーション、ポリシー、デバイスまで含めてモバイルに最適化された業務環境は、従業員のエンゲージメントだけでなく業績にも好影響を及ぼすことができるとまとめていた。
なお、発表会では、今年3月に実施した同社の年次イベント「Atmosphere 2016」で発表した最新の製品アップデートについても紹介。コザップ氏は、「こうした調査結果を踏まえて、モバイルファーストのネットワークを実現するための新たな製品ポートフォリオを発表した。モバイルファーストのアプローチを通じて企業がモビリティを実現する上で直面する課題を特定し、それらの課題を解消するための多彩な機能を提供する」としている。
具体的には、ネットワークの将来に対応するHPE Smart Rateテクノロジー搭載802.11ac対応Wave2アクセスポイント「Aruba 330シリーズ」、およびArubaOS-Switch搭載マルチギガビット対応アクセススイッチ「Aruba 3810シリーズ」を新たに発売。また、Aruba AirWaveネットワーク管理の新しいソフトウェアモジュールとして「Aruba Clarity」を提供する。これにより、Wi-Fi接続に生じうる諸問題を未然に予測し、迅速に回避することが可能となる。さらに、ポリシー管理プラットフォームの最新版「Aruba ClearPass 6.6」をリリース。カスタム・プロファイリングによる未知のデバイスの分類、多要素認証によるモバイルデバイスのオンボーディングなどの新機能を搭載し、IoTおよびモバイルの採用にともなって生じる新たな課題にも適合した統合ポリシーを作成することができる。