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CTCとElasticsearch、オープンソースの検索エンジンを活用したビッグデータ解析システムを提供

 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は28日、オープンソースの全文検索エンジン「Elasticsearch」を中核としたビッグデータの解析基盤を提供するオランダElasticsearchの日本法人、Elasticsearch株式会社と販売代理店契約を締結し、導入支援・コンサルティング・保守サポートを含めたビッグデータ解析システムの提供を開始した。

 Elasticsearchは、ドキュメントやマシンデータ、位置情報から動画など、リアルタイムに大量のデータ検索と解析が可能なオープンソースのソフトウェア。IT機器のログ分析によるサイバーセキュリティ対策、動画や画像の検索、ウェブサイトのアクセスログ解析など、様々な用途のビッグデータ解析基盤として世界で5000万件以上がダウンロードされており、スタートアップ企業から大手通信会社まで多くの企業で稼働実績がある。

 冗長構成を前提とした拡張可能なアーキテクチャで設計されており、データ容量の増加に応じてインフラ拡張を行うことが可能なため、データの増加量などを加味した要件定義が難しいとされるビッグデータ解析システムのインフラ投資を最適化できる。オープンソース製品であるため、大規模であってもコストを抑えたシステム構築が行える。

 また、ログ収集・転送ツール「Logstash」や、軽量のデータシッパー「Beats」、データ可視化ツール「Kibana」などの独自のプラグインも提供され、直感的な操作が可能なダッシュボードが利用できる。これらは「Elasticスタック」としてすべてオープンソースで提供されるほか、「x-pack」と呼ばれる拡張プラグインを利用することにより、セキュリティ、アラート、監視、グラフなどの企業での利用に不可欠な機能も実現する。

 CTCでは、自社の総合検証センター内にビッグデータ専門の検証環境を保有しており、分散コンピューティングを含めた拡張可能なシステム構築にも多くの経験とノウハウがあり、Elasticスタックによるシステム構築を導入から保守サポートまで一括してサービス提供する。

 今後、CTCとElasticsearchは共同で、低コストで高性能なビッグデータ解析システムの提案と提供を行い、顧客企業のビッグデータ活用に貢献していくと説明。通信事業者やクラウド事業者、コンテンツ事業者などを対象に、3年間で50社の導入を目指す。

三柳 英樹