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ジュニパー、筑波大学がスイッチ製品「EX3300シリーズ」などを採用

 ジュニパーネットワークス株式会社(以下、ジュニパー)は29日、国立大学法人筑波大学が、スイッチ製品「EX3300シリーズ」「EX9214」などを採用したと発表した。

 筑波大学の学内ネットワークは、筑波キャンパスと東京キャンパスに加え、学群棟、研究棟、宿舎などを結び、学生の教育や研究、教職員の業務などで活用されている。従来は、キャンパス内の2カ所にコアスイッチを配備していたが、機器の老朽化が進んだこと、学術情報ネットワーク(SINET)の100Gbps化への対応が求められていたことから、設備の更新が求められていたという。またこのネットワークでは、コアスイッチが2カ所に分散していたため、災害時に電源供給が困難になった場合の対応策や、属人化していた運用にともなう負荷の軽減も求められていた。

 そこで筑波大学では、高性能なコアスイッチで1カ所にまとめることを決定。東京キャンパスを含めた全キャンパスにEX3300シリーズを設置するとともに、コアスイッチのEX9214で集約した。

 採用にあたっては、信頼性と機器の耐久性がもっとも重視されたとのことで、以前のネットワークで長年にわたって運用していたジュニパーのマルチサービス・エッジルータ「M120」が故障をせず、トラブルの原因にならなかった点も、ジュニパー製品への高い評価につながったとしている。

 加えて、ジュニパー製品の共通OS「JUNOS」の使いやすさも採用理由の1つ。直感的にJUNOSを扱える点や、トラブルが発生してもすぐに戻すことができるため、安心して運用できるという点などが評価されたとした。

 このほか、EXシリーズが持つVirtual Chassis(VC)技術も活用されている。具体的には、ディストリビューションスイッチを配備せず、キャンパス内にある多数の建物の各階に設置したアクセススイッチとコアスイッチを直接接続し、物理的なスイッチの台数を削減すると同時に、VC技術で建物ごとにアクセススイッチを統合することによって、論理的な台数を減らしている。

 今後は、既存のSINET4ネットワークへの10Gbps接続から、整備中のSINET5に対する100Gbps 接続も予定されているとのこと。

 また、東京大学や高エネルギー加速器研究機構との共同研究では大量の実験データが扱われるため、スマートフォンやクラウドサービスの活用もいっそう広がり、これまで以上に高速なネットワーク回線が求められるようになる。こうしたことを踏まえて、拡張性を確保するために新たなルータとして「MX480」を選定したほか、ルータ、スイッチに搭載されているJunos OSの自動化機能を活用し、運用の効率化を促進する予定としている。

石井 一志