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Ericsson、NTTと次世代クラウドサーバーに関する技術協力を展開

 Ericssonは18日、日本電信電話株式会社(NTT)と次世代のクラウドサーバーに関する技術協力を開始したと発表した。両社は、ハードウェア分離技術と管理・制御技術によるシステム運用やアプリケーションソフトウェア開発の効率の改善、特に新サービスの市場投入期間削減への効果について検討し、ハードウェア利用率や効率性、運用ならびにアプリケーションソフトウェア開発の簡易性などの向上を目指す。

 技術協力を通じて、Intel Rack Scale Architectureに基づいたEricssonの「Hyperscale Datacenter System 8000」の能力と機能の検証ならびにデモンストレーションを実施し、Ericsson Cloud ManagerおよびEricsson Cloud Execution Environmentソリューションもその上に配備する。

 NTT情報ネットワーク総合研究所総研所長の渡部信幸氏は、「NTTはMAGONIAなどの技術に関する長年の研究開発を経て、通信事業者ネットワークの柔軟性を向上させると同時にコスト削減をもたらすNetroSphereコンセプトを立ち上げました。 サーバーのハードウェアを小さな部品に分離する技術は、全く新しいサービスをより迅速に提供するという私たちのコンセプトを実現する上で、確立すべき重要な要素技術の1つです。私たちはこの分野におけるEricssonの技術的貢献を期待しています。Ericssonのようなパートナーの方々とのオープンなコラボレーションを通じて、私たちのビジョンの実現を目指します」と述べている。

 Ericssonのヴァイス・プレジデントでクラウドシステム部門を率いるジェィソン・ホフマン氏は、「この技術協力は、次世代クラウドサーバーを実現するIntel Rackscale Architectureに基づいたEricssonの次世代ハイパースケール・データセンター・ソリューションを提供していくEricssonのコミットメントを明確に示しています。そのソリューションにより、5GやIoTでの新しいサービスをサポートするのに必要となる機動性、効率性およびスピードを提供します」とコメントしている。

 ハードウェア分離に関する検討の一部は2015年に始まり、2016年にはHyperscale Datacenter System 8000を用いたコンセプト実証について検討を進める。Ericssonでは、この技術協力ではユースケース、要件、ソリューションのコンセプトおよび将来に向けた、より先進的なハードウェア分離のための発展的技術の検討へと対象を拡げていきたいとしている。

三柳 英樹