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富士通FIP、呉市の木村眼科内科病院へクラウド型電子カルテシステムを導入

 富士通エフ・アイ・ピー株式会社(富士通FIP)は18日、広島県呉市の医療法人社団ひかり会木村眼科内科病院(診療科:眼科、内科、麻酔科)が、クラウド型電子カルテシステム「FUJITSU ヘルスケアソリューション HOPE Cloud Chart」(以下、HOPE Cloud Chart)を採用したと発表した。

 木村眼科内科病院では、より高度な医療を提供するため、最新の設備を導入した新病院への移転とともに、従来は紙で運用していたカルテの電子化についても検討を進めていた。しかし、移転と同時期のシステム導入となるため、高機能なシステムでありながら、初期投資とシステムの運用負荷を軽減する必要があったという。

 そこで同院では、富士通エフ・アイ・ピーが提案したクラウド型電子カルテシステム「HOPE Cloud Chart」の導入を決定。2015年10月の新病院移転とともに運用を開始した。

 「HOPE Cloud Chart」には、富士通の持つ電子カルテ・医事会計システムのノウハウが結集されており、カルテの所在管理や移動、文字の読解など、紙カルテ特有の煩雑さを解消したとのこと。また、眼科専用のカルテ記載システムや画像ファイリングシステム、診察順番表示システムなどとの連携により、検査の待ち時間短縮や画像を活用したわかりやすい診察など、医療の質も向上したという。

 さらにクラウド型のため、サーバーを含む設備の初期投資や維持費を抑制できるほか、システムの保守・管理作業の必要もないことから、運用時などの作業負荷を軽減できる点もメリット。木村眼科内科病院は、このシステムの採用によって、限られた経営資源を新病院への移転やその後の運営に最大限投入するとともに、システムの刷新を実現している。

 なお「HOPE Cloud Chart」では、高いセキュリティを持つ富士通グループのデータセンターに診療情報を保管するが、データセンターと病院の間もサービス専用のセキュリティ網でつなぎ、通信を暗号化している。こうしてシステムの信頼性を高めるとともに、堅牢な設備により、災害時にも診療情報を保全できるよう事業継続性を向上させた。

 今後、木村眼科内科病院では、電子カルテシステムが持つ情報の集積・検索・参照・分析のしやすさなどの特性を生かして、臨床研究分野への活用を進めていく考えだ。

石井 一志