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国内データセンター保守コスト、一定規模以上ではスケールメリットの効果は減少~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は6日、国内のデータセンターの保守運用コストに関する調査結果を発表した。

 調査では、データセンターの規模や設備仕様の違いが、保守運用コストにどのような影響を与えているのかを分析しており、データセンター設備の保守や運用管理にかかる人件費、データセンター内に設置するIT機器監視のための人件費、データセンターで使用する電気代をコストの範囲としている。

 調査結果では、データセンターが大きくなるほどサーバーラックあたりの保守運用コストは減少するが、ある一定の規模よりもデータセンターが大きくなると、スケールメリットによるコスト削減効果は次第に小さくなると説明。具体的には、サーバーラックの収容可能台数ベースで1000台を超えるような規模に達すると、規模をさらに大きくしてもサーバーラックあたり保守運用コストの削減効果は限定的になり、こうした大規模なデータセンターにおいては、運用効率を改善するためにさらなるスケールメリットを追求することはあまり意味がないとしている。

データセンターの規模と保守運用コスト(1ラックあたり)の関係(出典:IDC Japan)

 IDC Japanでは、データセンター事業者が生き残るためには、大規模データセンターにおける運用効率の改善の取り組みが必須になっていると指摘。IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの伊藤未明氏は、「大規模データセンターにおいて保守運用コストを削減するためには、電力コストの圧縮が重要である。電力管理システムの整備、電気設備や空調設備の省エネ運転システムの導入などが進むだろう」とコメントしている。

三柳 英樹