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Windows 10「November Update」、フォントレンダリングや日本語IMEの改良などを実施
マイクロソフトが説明会を開催
(2015/11/19 06:00)
日本マイクロソフト株式会社は18日、Windows 10の最初のメジャーアップデートとなる「November Update」についての説明会を開催した。
日本マイクロソフトWindows本部本部長の三上智子氏は、Windows 10は提供開始から3カ月で動作しているデバイスの数が1億1000万台、業務用デバイスの数が1200万台に達したことを紹介。Windows 10はこれまでのような「バージョンアップ」の考え方ではなく、インターネットサービスのように順次機能やサービスを追加していく「Windows as a Service」の考えに基づき、年に数回のアップデートを提供していくとして、11月12日に公開したNovember Updateが最初のメジャーアップデートになるとした。
November Updateは、通常のWindows Updateと同様にユーザーに配布される。三上氏はNovember Updateの特徴としては、Windows 10がXbox Oneに対応するとともに、Windows Phone向けにもまもなく対応予定であるなど、マルチデバイスへの展開を開始したことと、Windows Insider Programの参加者などからの多数のユーザーの声を反映し、200以上の機能改善や新機能の追加を行ったことを挙げた。
また、企業ユーザーからの意見も反映した法人向け機能の改善や追加を行ったとして、企業への更新プログラムの展開をIT担当者が管理できるサービス「Windows Update for Business」の提供や、企業内端末向けにアプリの展開を行える「ビジネス向けWindowsストア」、モバイルデバイス管理の強化などを紹介。これらの機能追加により、「我々としても自信を持ってWindows 10を企業に展開できるようになった」と語った。
マイクロソフト ディベロップメント株式会社の安達理氏は、November Updateの具体的な内容について紹介。特にユーザーからの要望が多かったのがフォントレンダリングの改善で、November Updateでは、レンダリングエンジンの改良により、Windowsのユーザーインターフェイスである「Yu Gothic UI」と、Office 2016のデフォルトフォントである「游ゴシック・游明朝」がきれいになったとした。
また、日本語入力についても語彙を拡充。これまでは不得意だった流行語などへの対応として、Bingを活用した「クラウド候補」機能を追加。「すイエんサー」(テレビ番組名)や、「春香クリスティーン」(人物名)、「ご注文はうさぎですか」(アニメ名)といった単語のほか、専門用語なども一発で変換できるデモを披露した。
ただし、クラウド変換機能は標準ではオフになっている。クラウド変換機能は、暗号化した上で匿名でBingを活用するものだが、プライバシーの観点から標準ではオフとなっているとして、利用するにはIMEの設定が必要だとした。
日本語に対応したCortanaについては、米MicrosoftでCortanaを担当するプログラムマネージャーのMarcus Ash氏が説明した。
Ash氏は、7月の提供開始以来、すでに10億以上の質問がCortanaに寄せられており、日本のユーザーに使ってもらうことでさらに良くなっていくとした。また、米国で提供するCortanaと、日本で提供するCortanaはまったく違うものだと考えており、日本において必要となるCortanaはどういうものかということを念頭に開発したと説明。日本語の場合では、丁寧さや細やかさも重要になると考え、Cortanaの自己紹介や応対などもより丁寧になっているとした。
Ash氏は、「すでに日本からのフィードバックもたくさん寄せられている」として、これをさらにCortanaに反映していくことで、日本のユーザーとともにCortanaを成長させていくと語った。
Cortanaの機能については、「コルタナさん、おみくじ」と問いかけるとおみくじを表示したり、「夕方、傘いる?」と問いかけると天気予報を表示した上で「今日は傘が必要でしょう」と回答するといったデモを紹介。また、天気予報で表示する天気のアイコンも日本式のものになっており、「最近の地震は?」と聞くと直近の地震情報を表示するなど、日本発の機能も多く盛り込まれているとした。