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NTTドコモ、料金システムのリアルタイム・ビリング基盤を「Oracle Exadata」で刷新

 日本オラクル株式会社は16日、株式会社NTTドコモが料金システムのリアルタイム・ビリング基盤の高度化のため、データベース基盤としてオラクルの高速データベース・マシン「Oracle Exadata Database Machine(以下、Oracle Exadata)」を導入し、稼働を開始したと発表した。

 NTTドコモでは、さまざまな分野のパートナー企業とのコラボレーションによりサービスの拡充を目指す「+d」の取り組みを推進するため、料金システム「MoBills」のコアエンジンとなる、6600万顧客の通話や通信、決済といった情報をリアルタイム計算・課金するリアルタイム・ビリング基盤を刷新し、高度化を推進することを決定。刷新にあたっては、システムの安定運用およびセキュリティの確保、経営ニーズに応える柔軟性と迅速なシステム開発、より筋肉質なコスト構造への変革の3つを実現するためのデータベース基盤として、Oracle Exadataを導入した。

 システム選定にあたっては、新サービスの追加やトラフィック量の増加に耐えうるOracle Exadataの高い性能と拡張性、可用性、また、大量の通話・通信データおよび請求データを格納する上で有効となる圧縮技術や検索技術が高く評価されたと説明。さらに、ハードウェアとソフトウェアにあらかじめ最適な設定が施しされた上で納品されるというオラクルのエンジニアド・システムの特長により、導入期間が短く、また特別なチューニングなしに必要な性能を得られる点や、価格競争力が高い点も評価されたという。

 Oracle Exadataの導入により、旧システムとの比較では導入コストが約4分の1、運用コストが約2分の1に削減されたほか、約10倍の性能向上を達成。設備面では、データセンターに設置されているラックの数が350ラックから30ラックへと削減された。また、オラクルが基幹システムの高可用性を実現するために提供する「Oracle Maximum Availability Architecture」により、特殊なシステムインテグレーションを行うことなく高可用性を実現し、サービスレベルの向上に貢献したとしている。

 現在、Oracle Exadataでは、1日あたり100万件のサービスオーダー情報、1日に10億件の通話・通信データのリアルタイム計算・課金処理が行われており、ピーク時には1秒あたり約300万ものSQL処理を実行できる性能が得られている。NTTドコモでは、MoBillsにおけるバッチ系処理基盤やデータ分析系基盤など、Oracle Exadataの活用範囲を拡大しており、今後、インメモリー機能やマルチテナント機能など「Oracle Database 12c」の最新技術を積極的に採用しながら、顧客により魅力的なサービスの提供を推進する計画としている。

 株式会社NTTドコモ情報システム部料金システム担当担当部長の嶌村友希氏は、「MoBillsは、『+d』の実現に向けた取り組みを推進する基幹システムとしてきわめて重要な位置づけにあります。リアルタイムビリング基盤への導入完了以降、『Oracle Exadata』は非常に安定して稼動しており、期待どおりの性能を発揮しています。今後も『Oracle Exadata』を活用することで、さらなる優位性を確立していきたいと思っています」とコメントしている。

三柳 英樹