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NEC、中小規模の電力小売事業者向けクラウドサービス

 日本電気株式会社(NEC)は12日、中小規模の需要家数を見込む電力小売事業者向けのクラウドサービスとして、顧客情報管理や電気料金計算などの機能を提供する「需要家情報管理クラウド」と、電力の需給管理機能を提供する「電力需給管理システム」を発表した。提供開始時期は2016年4月。

 新サービスは、電力小売事業を始めるにあたって必要となる機能を、クラウドサービスとして提供することで、事業者の初期のシステム導入コストを削減し、電力小売事業開始を支援するもの。

 需要家情報管理クラウドは、電力事業者に必要な顧客情報管理や、電気料金計算を含む請求・入金管理、需要家が料金確認や料金プランを変更可能なマイページといった機能などを一括提供する。電力需給管理システムや既存の請求システムといった他システムとの連携機能を、オプションで構築できる。

 電力需給管理システムは、30分間での電力需給総量の一致を義務付ける「計画値同時同量制度」に対応するために、電力供給エリアにおける電力需給予定と実績を一画面で把握可能な需給バランス監視機能や、スポット市場や1時間前市場での入札を可能とする機能を提供する。需要家ごと、需要家グループごとの予測値を作成できる需要予測支援機能などにより、電力小売事業者の事業安定化に貢献する。

 販売価格(税別)は、需要家情報管理クラウドが月額30万円から、電力需給管理システムが個別見積り。NECでは、2016年度から3年間で20億円の販売を目標とする。

 NECでは、11月12日~13日に東京国際フォーラムで開催する「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2015」において、新サービスの展示を行う。

三柳 英樹