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地方公共団体オープンデータ推進ガイドラインのデータ作成例に構造化PDFが追加

 アドビシステムズ株式会社(以下、アドビ)は9日、内閣IT総合戦略本部主催の電子行政オープンデータ実務者会議により策定された「オープンデータをはじめよう~地方公共団体のための最初の手引書~」のオープンデータ作成例として、構造化PDFが追加されたと発表した。

 アドビでは、行政機関の文書にはPDFが広く活用されているが、PDFは一般に画像データとして認識されることが多く、検索やコンテンツの再利用が難しいという誤解から、オープンデータの作成例に含まれていなかったと説明。しかし、PDF作成ツールによっては、データ構造化された機械判読可能なPDFも簡単に作成できることから、8月のガイドライン改訂において、構造化PDFがデータ作成例に追加された。

 構造化PDFは「タグ」が付けられており、タグが示す文書の論理構造を利用することで内容の再利用性や検索性が向上する。ワープロソフトで作った段組みや見出し、段落などの文書構造をPDFにも引き継ぐことができ、段組みがあっても見出しや段落の並び順を正確に認識できる。

構造化PDFのサンプル
情報コンテナとしてのPDF(イメージ)

 アドビでは、今回のガイドラインの改訂を機に、Adobe Acrobat DCによる構造化PDF作成の認知を拡大し、政府・自治体のオープンデータ推進を支援していくとしている。

 アドビ代表取締役社長の佐分利ユージン氏は、「PDFは多くの行政機関で広く活用されている文書フォーマットです。このたび、オープンデータの作成例としてテキストの検索や抽出ができる構造化PDFが追加されたことで、市民や企業は自治体が所有する情報を効率的に閲覧・再利用することが可能になります。構造化PDFが簡単に作成できるツールであるAcrobat DCに関する認知を高める活動を通じて、自治体におけるデータ公開の推進を支援していきたいと考えております」とコメントしている。

三柳 英樹