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国内企業のインフラ仮想化状況、仮想サーバー上で稼働するアプリケーションが半数以上に~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は19日、国内企業のITインフラにおける仮想化の実施状況に関する調査結果を発表した。サーバー仮想化を実施している企業および組織を対象としたアンケート調査によるもので、調査時期は2015年7月、有効回答は516社。

 サーバー仮想化を既に実施している企業において、社内の全アプリケーション(PCやモバイルのアプリケーションは除く)のうち、仮想サーバー上で稼働しているアプリケーションの割合は平均で53.2%となった。2014年調査の49.2%からは4ポイント上昇し、割合が半数を超えた。分野別では、財務/会計管理システムや販売/顧客管理システムなど、基幹業務システムでのサーバー仮想化の導入率が2014年調査よりも上昇しており、仮想環境の利用が拡大している。

 サーバー、ネットワーク、ストレージと、すべてのITインフラリソースにおいて仮想化を実施している企業の割合は28.3%となった。サーバーとストレージでの実施は16.1%、サーバーとネットワークでの実施は10.1%。

 サーバーのみの仮想化を実施している企業は45.5%で、半数以上の企業はサーバーのみの仮想化だけではなく、ネットワークあるいはストレージにおいても仮想化を実施している状況にある。2年前の2013年調査と比較すると、サーバー以外の領域での仮想化実施率が大きく上昇しており、ITインフラ全体での仮想化が着実に進んでいると分析している。

ITインフラセグメント別仮想化実施状況:2015年調査と2013年調査の比較(出典:IDC Japan)

 ネットワーク仮想化による効果が大きかった上位3項目としては、「ネットワークの設定作業負担の軽減」「ネットワークの冗長性/可用性の向上」「ネットワーク構成の柔軟な変更」が挙げられている。また、多くの仮想サーバーを運用している企業では「VLANの拡張」が上位に挙がっている。ストレージ仮想化による効果が大きかった上位3項目としては、「ストレージ容量の有効活用」「ストレージコストの削減」「ストレージ管理の一元化」が挙げられている。

 IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの入谷光浩氏は、「仮想化技術がITインフラ全体に適用されることで、コスト削減効果だけではなく、管理の効率化や一元化、柔軟性や拡張性の向上など、その効果がより大きく発揮されるようになる。ユーザー企業は仮想化ソリューションの導入を行っていく際、ITインフラ全体の観点からネットワークとストレージの仮想化についても検討していくことが必要である」とコメントしている。

三柳 英樹