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住友重機械工業、SAP HANAベースの基幹システムをクラウドで稼働開始

カスタマイズした国産パッケージから移行

 SAPジャパン株式会社は9日、住友重機械工業株式会社(以下、SHI)が、SAPのマネージドクラウド「SAP HANA Enterprise Cloud」上で、ERPソリューション「SAP Business Suite powered by SAP HANA」を稼働させたと発表した。

 総合機械メーカーのSHIでは、機械コンポーネント、精密機械、建設機械、産業機械、船舶、環境・プラントの6セグメントで事業を展開しており、2014年度の実績では、海外の売上高比率が55%に達するなど、グローバル展開も積極的に行っている。

 その同社の業務システムは、各事業部単位で個別最適化されていたため、分社化、M&A、事業再編といった環境変化に対する柔軟性が課題になっていたほか、システム運用の属人化が進み、メンテナンスの負荷も年々拡大していたという。

 そこで、さらなるグローバルビジネスの成長を見据え、事業環境の変化に迅速に対応することを目的として、基幹システムの集約・統合を決定。2009年より基幹システムの刷新を検討開始し、最初のターゲットとして会計領域に取り組んだ。

 従来の会計システムでは、国産パッケージソフトを大幅にカスタマイズし、本社および国内の主要グループ会社で利用していた。しかし、海外関係会社への展開などいくつかの面で課題があったことに加え、検討開始当時はIFRS対応が求められていたことも、それも新システムの要件になっていた。

 そうした中、SHIは複数の選択肢の中から、グローバルおよび国内重工メーカーでの採用実績を評価してSAP ERPを選定し、インメモリ対応のSAP Business Suite powered by SAP HANAの採用を決定している。システムの選定においては、トランザクション系(OLTP)と分析系(OLAP)を1つのデータベースで実現する製品コンセプトが大きな決定要素となったとのこと。

 同製品の導入プロジェクトは2013年10月からスタートしたが、当初は、オンプレミスを前提としたシステム構築を想定していた。しかし、将来の展開計画にあわせてサーバー構成を柔軟に拡張・縮小できることから、マネージドクラウドサービスのSAP HANA Enterprise Cloudを採用することにし、2014年の春から開発環境、テスト環境、本番環境を用意した。

 2015年4月から本稼働を開始したSAP Business Suite powered by SAP HANAは現在、本社および国内のグループ会社の会計業務で利用されており、稼働開始後は、従来は午前・午後のバッチ処理完了後に確認していた月次処理の状況がリアルタイムに把握できるようになる、といった効果が現れている。

 システム運用面でも、オンプレミスと比べて電力費用やデータセンター費用などを含めた運用費用が削減できること、IT管理者の負荷軽減が期待できることなどが期待されているとした。

 なお現在は、新会計システムを未導入の国内グループ会社への展開を進めるとともに、国内の事業部において、ロジスティクス領域でのSAP Business Suite powered by SAP HANA導入を開始。ロジスティクス領域については、量産系の事業部で、生産、販売、購買、プロジェクト管理のモジュールの導入が始まっており、2016年度中の稼働を目指している。

石井 一志