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クラウド型HANA上で稼働するSAP ERP、日本写真印刷が国内初導入
(2014/8/28 17:50)
SAPジャパン株式会社は28日、日本写真印刷株式会社が経営戦略を支えるシステム基盤として、「SAP HANA Enterprise Cloud」上でインメモリに対応した「SAP ERP」を採用し、8月17日より本稼働を開始したと発表した。クラウド版HANA上のSAP EPRとしては国内初事例となる。
日本写真印刷は、高級印刷技術から派生した技術力による事業展開を基に、(1)IMD(立体形状のプラスチック製品の表面に成形と同時に意匠を転写)を主力製品として自動車(内装)、ノートPC、携帯電話などに対応する産業資材事業、(2)タブレット端末、スマートフォン、ゲーム機器などに用いられるタッチパネル「Fine Touch」を軸としたデバイス事業、(3)マーケティングやセールスプロモーションなどを提供する情報コミュニケーション事業を主力事業としている。
海外売上比率が7割を超す同社は、競争の激化、市場環境の急変などにグローバルレベルで迅速に対応することが求められる。そこで2010年から、国内外29社のグループ共通の経営基盤としてSAP ERPをオンプレミスで構築・活用してきた。しかし、さらに柔軟・迅速な意思決定が求められたことから、今回、SAP ERPに「クラウド」と「インメモリ技術」の要素を取り入れることに決めた。
同社では日本の製造業としては初めて、インメモリに対応した分析系システム「SAP BW powered by SAP HANA」を採用していた。その結果、分析結果が格段に向上したこと、SAP HANAの安定性が確認できたことも、基幹系システムにSAP HANAを適用する判断基準となった。同時にSAP HANAを「SAP HANA Enterprise Cloud」のクラウド環境へ移行したのは、運用のシンプル化を図るための決断だという。
日本写真印刷 上席執行役員 最高情報責任者 コーポレートSCM部門担当の青山美民氏は「SAP Business Suite powered by SAP HANAには業務の現場における分析力と意思決定スピードの向上を、SAP HANA Enterprise Cloudにはビジネス環境の急変への柔軟な対応力と、今後出てくるSAPのクラウドサービスとの親和性を期待する」とコメントしている。
なお、今回の移行プロジェクトはSAPジャパンのサービス部門が中心となって実施し、約7カ月で完了。本番業務停止時間を最小化するために「System Landscape Optimization」サービスもフル活用したという。