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Windows Server 2016 Technical Preview 3が公開
Windows Server Containerが利用可能に
(2015/8/20 17:03)
米Microsoftは19日(米国時間)、Windows 10をベースとしたサーバーOS「Windows Server 2016」のTechnical Preview 3(TP3)を公開した。今回も英語環境のみが公開されており、Windows Server 2016 TP3と、Hyper-V Server 2016 TP3の2つが利用できる。
以前のWindows Server 2016のTechnical Preview 2(TP2)では、コンパクトなOS環境といえるNano Serverの機能が初めて搭載されたが、今回のTP3では、TP2の時に積み残されていたDockerのサポートが行われた。
Windows Server 2016では、Windows Server上に直接Docker Containerを展開して使用するWindows Server Container、仮想基盤のHyper-Vを搭載して、その上にNano Serverなどを動かし、Docker Containerを動作させるHyper-V Containerの、2つの仕組みが搭載される予定になっている。ただし今回のTP3では、Windows Server Containerだけがサポートされている。Microsoftの開発者セミナー「Build 2015」でも、Hyper-V Containerのサポートは2015年年末~2016年になると説明されていた。
TP3では、Docker Containerの管理・展開に関しては、PowerShellもしくは、Dockerクライアントを利用して行う。まだまだ、管理・運用ツールとしては使いやすいと言い難いが、曲がりなりにDocker ContainerがWindows Serverで動作するというのは注目に値する。こうして、Linuxと同じようにWindows ServerにおいてDockerのサポートが行われたことで、今後、本格的にコンテナベースの実行環境を配布したり、管理・運用したりするようになるだろう。
管理・運用ツールとしては、Linuxで標準的に使われているKubernetesとの連携、より使いやすい管理ツールへと進化させる必要があるし、仮想化環境の管理ツールのように、System Centerに統合する必要もある。このあたりのインフラが整うのは、2016年後半に想定されている、Windows Server 2016のリリース時になるだろうが、もしかすると、Windows Server 2016のリリース時には間に合わない可能性もある。当初は、ある程度の機能に限定した管理ツールを用意し、その後バージョンアップを繰り返して、使いやすくしていく可能性が高いのではないか。
さらに今回は、TP3の公開にあわせて、クラウドサービスMicrosoft Azureの改修も行われ、TP3でサポートされたWindows Server ContainerをAzure上にパブリッシュして、テストできるようになった。
この他、Nano Serverの機能も強化された。Nano Serverのコンソールからネットワーク構成を確認して修正できる「Emergency Management Console」機能、Azure上でユーザーが構成したNano Serverの仮想マシンを実行できるようにする機能などが追加されている。
なお、TP3の公開に合わせるように、System Center 2016 Technical Preview 3も公開されている。