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Windows Server 2016 Technical Preview 2を公開

Office 2016の一般向けプレビューも

 Microsoftは4日(現地時間)、米国シカゴで開催されたMicrosoft Ignite 2015(旧Tech-ED)の基調講演において、Windows Server 2016 Technical Preview 2の提供と、次期統合管理製品となるSystem Center 2016を発表した。

 Windows Server 2016は、Windows 10カーネルベースのサーバーOSで、昨年Preview版が提供されたときはWindows Server vNextとされていたが、正式名称として「Windows Server 2016」になった。

 新たにDockerを採用してコンテナ技術に対応したり、Server Coreよりもフットプリントが小さいNano Serverモードを用意したりしている。

 System Center 2016には、Microsoft Operations Management Suite(OMS)が追加された。OMSは、複雑に絡みあうパブリッククラウドの管理、クラウドで動作するIaaSの管理などを行う。パブリッククラウドとしては、Microsoft Azureだけでなく、Amazon Web Services(AWS)などサードパーティのクラウドも管理対象になる。さらに、VMware、Open Stack、Linux、Windows Serverなども一括して管理できるようになるとのことで、数週間後にPreview版を提供する予定だ。

 このほかIgniteでは、オンプレミスにMicrosoft Azureと全く同じクラウドを構築できるMicrosoft Azure Stackが発表された。オンプレミスにAzure Stackを使用して構築されたプライベートクラウドとパブリッククラウドのMicrosoft Azureは、非常に密接に連携しており、よりタイトにクラウド環境を運用できるようにる。

 SQL Server 2016は、ビッグデータの解析に利用するPowerBIに加え、先ごろMicrosoftが買収した、R言語のソフトウェアとサービスを提供しているRevolution Analyticsのテクノロジーを導入し、R言語を使った分析をサポートしている。

 また、Microsoft Azure上のSQL Serverと密に連携することで、例えばオンプレミスのSQL Serverのストレージが逼迫してきたときに、Microsoft AzureのSQL Server側にデータを拡張する、といったことができる。データの拡張や収縮は自由に設定できるため、ユーザーは必要なときにAzure上のSQL Serverにデータを拡張し、必要がなくなればオンプレミスに戻すことが可能だ。

 さらに、昨年買収したイスラエルのセキュリティベンター、Aoratoのテクノロジーを利用するMicrosoft Advanced Treat Analytics(ATA)も発表された。ATAは、リアルタイムにユーザーや各デバイスからのアクセスを監視して、イリーガルなデバイスやユーザーからのアクセスを監視し、アクセスを遮断する。

 このほか、企業で利用するWindows 10 Enterprise、Windows 10 Proに対して、コンシューマ版と異なるサイクルでのアップデートを提供するWindows Update for Businessが発表された。これは、Windows Server Update Service(WSUS)の機能を拡張したもので、セキュリティパッチだけをアップデートし、Windows 10の新機能などは提供しないといった、IT管理者側での細かな管理に対応する。

 また、パッチを当てるタイミングもIT管理者側で自由に設定することが可能。アップデート方法に関しても、Windows Serverなどを置かずに、グループポリシーでアップデートのコントロールが行える。

 Office関連では、Office 2016のパブリックプレビューを発表したほか、Offce 365においては、Office Graphを使ったOffice Delveの提供、1万人もの顧客にビデオ配信が行えるSkype for Business Broadcasting、またSharePoint 2016、Exchange Server 2016(本年中にプレビューの提供を開始)など、多くの新製品・サービス、新バージョンのロードマップが発表されている。

山本 雅史