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データセンター事業者では65.9%の管理者が「今後5年間で投資を拡大予定」~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は28日、国内のデータセンター管理者を対象とした調査結果を発表した。データセンター事業者では、65.9%の管理者が「今後5年間で投資を拡大予定」と回答している。

 調査は、企業や公的機関のデータセンター管理者を対象としたアンケート調査で、金融機関や製造業などの一般企業が所有するデータセンターと、ITサービス事業者や通信サービス事業者などが所有する事業者データセンターの両方を対象としている。

 今後5年間でデータセンター投資を増加させると回答したのは、データセンター事業者44社のうち65.9%、一般企業274社のうち23.7%で、いずれも減少させるという回答(データセンター事業者で2.3%、一般企業で5.1%)を大きく上回った。

今後5年間におけるデータセンター投資の増減見込み(出典:IDC Japan)

 データセンター事業者が今後重点的に投資を行う分野としては、データセンター能力の増強(データセンターの新設/増設/拡張)とともに、データセンターの運用効率化(省エネ対策強化、運用自動化、不要なデータセンターのシャットダウンなど)が多く挙げられた。IDCでは、データセンターサービス市場は拡大していると同時に競争が激化しており、データセンター事業者は設備の増強と同時に、運用効率を改善してDCの投資収益率を確保しようとしていると分析している。

 一方、一般企業のデータセンターでは、電力コストの削減が課題となっているが、調査対象の一般企業274社のうち、消費電力の計測を行っていないデータセンターの比率が36.1%に上った。一般企業のデータセンターでは、電力消費状況を把握していないことが、運用効率改善を阻害する要因となっているとしている。

 建設コストの上昇や電気料金の値上がりにより、データセンターの運用コストは上昇傾向にあり、IDC JapanのITサービス リサーチマネージャーの伊藤未明氏は、「今後は、既存のデータセンター設備の運用効率を改善して、設備の有効活用を図ることが重要である」と分析している。

 発表は、IDC Japanが発行したレポート「2015年 国内データセンター管理者調査:運用課題と投資動向」(J15350104)にまとめられており、建物/空調設備/電気設備の保有状況、電力消費量、年間運用コスト、DC新設予定などについての調査結果が掲載されている。

三柳 英樹