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スチール、VMware ThinAppでWindows XPベースのクライアントアプリを延命

ネットワールドのアプリケーション仮想化支援サービスを利用

 株式会社ネットワールドは13日、株式会社スチールが、グローバル基幹業務システムにおけるクライアントのアプリケーション移行プロジェクトにおいて、VMware ThinAppによるアプリケーション仮想化支援サービスを採用したと発表した。

 スチールは、チェーンソーや刈払機をはじめとする、各種パワーツールを手掛けるメーカー。同社が利用していた基幹業務のクライアントアプリケーションは、2014年4月にサポートが終了したWindows XPベースで構築されており、Windows 7などの新しいOS上では動作しない点が問題になっていたという。しかし、数年後に新しいグローバル基幹システムの導入を予定していることから、クライアント側のプログラムをWindows 7ベースで新たに開発し直す、といった多額のコストがかかる作業はできないため、システムの継続利用という点で課題を抱えていた。

 そこでスチールでは、アプリケーションやレジストリ情報、システムファイルなどを一つのexeファイルにカプセル化し、アプリケーションとハードウェア/OSとの依存関係を完全に分離できる、ThinAppによるアプリケーション延命策を選択した。

 しかしThinAppの評価版を使用した結果、カプセル化の手順自体は複雑ではないものの、アプリケーションを正常動作させるには、どのコンポーネントをパッケージに含めるかなどのノウハウが必要であり、また、カプセル後の段階でファイル容量が約3GBにも達する大規模プログラムが対象で、自社内での作業では困難と判断。アプリケーション構成、内容などを確認し事前検証するアセスメントサービスと、アプリケーションパッケージングサービスから構成される、ネットワールドのアプリケーション仮想化支援サービスを利用することにした。

 その結果、着手からわずか1日で正常に動作するパッケージが完成し、従来と変わらない環境での継続利用が可能になったとのこと。また、プログラムをWindows 7対応に全面的に書き換える場合と比べ、1/10以下のコストで済んだ点を、スチールでは高く評価している。

 なおスチールは、今回のクライアントアプリケーションのほかにも、OSの互換性問題を抱えたフリーウェアのアプリケーションを活用しており、今後、同様にThinAppでのカプセル化を検討している。また、将来的に新グローバル基幹システムが稼働した後も、アプリケーション管理・運用面におけるメリットから、引き続きThinAppの活用を図っていく考えだ。

石井 一志