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IBM、ビッグデータ分析向けクラウドデータベースサービスを拡充

 日本IBMは3日、ビッグデータ分析向けのクラウドデータベース製品「IBM dashDB Enterprise MPP」と、IBM DB2をクラウドで提供する「IBM DB2 on Cloud」の提供を開始した。「IBM dashDB Enterprise MPP」の利用料金(税別)は月額224万9100円~(12TBのデータ容量まで)、「IBM DB2 on Cloud」の利用料金(税別)は月額14万2800円~。日本IBMおよびIBMパートナー経由で提供する。

 IBM dashDBは、「DB2 with BLU Acceleration」によるインメモリアナリティクス技術と、Netezza由来のインデータベースアナリティクスを融合し、クラウドサービスとして利用することを可能にしたアナリティクスサービス。PaaSサービスの「Bluemix」上から、データ容量や稼働環境に応じて無料で利用を開始することができる。

 表計算ソフトウェア、各種ビジネスインテリジェンスツール、R言語、地図アプリケーションおよびNetezzaテクノロジーの分析関数などの利用に対応することで、業務データの単純な分析やレポート作成の業務効率化に加えて、分析ロジックの検証や開発が可能。分析およびレポートツールの「SPSS」「Cognos」「Watson Analytics」などとの連携による高度なアナリティクスを行うこともできる。

また、NoSQL DBaaSソリューションの「Cloudant」と連携し、NoSQLのデータをリレーショナルデータベースに自動変換し、連携することが可能。膨大なトランザクションデータをCloudant上で蓄積し、必要なデータをdashDBでリレーショナルデータベースに変換して分析にかけるといった、より柔軟で低コストでのデータベース環境の構築が可能となる。

 IBM dashDB Enterprise MPPは、増加するデータボリュームに合わせて水平拡張可能なアーキテクチャーとなっており、並列処理(MPP)環境におけるクエリーの分散処理でさらなる高速化を実現。BLU Accelerationに実装されるインメモリー、データの事前読み込みを可能にするデータプリフェッチ、特定のクエリーに対して分析対象としないデータを自動的に識別するデータスキッピング、圧縮データへの直接演算などの高速データ処理機能を提供。Netezzaの技術による、異なるデータの相関関係を可視化する線形回帰、グループ特定と結果予測を分類するデシジョンツリー、分析対象内で相対的に類似するグループを特定するk-meansクラスタリング、地理情報システム(GIS)と連携する拡張機能などを提供する。

三柳 英樹