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保育所の事務負担は増加傾向に、NTT西とANSが支援システム
(2015/6/1 08:00)
西日本電信電話株式会社(以下、NTT西)とANS株式会社は29日、保育所向けに園児の「登降園管理システム」を発表した。保育所業務の効率化をめざした共同検討の成果で、6月1日からNTT西を通じて提供される。
政府が2013年4月に公表した「待機児童解消加速化プラン」を受けて、2017年度までに約40万人分の保育の受け皿を拡大するため、既存保育所の定員拡大や保育所の新設が進められている。保育所での保育時間も長時間化しており、保育士の業務負担が増大する傾向にある。
多くの保育所では、園児の保育計画・保育記録、登降園時間の記録などを手書きで作成・管理しており、紙書類を作成する保育士の負担軽減が課題に。さらに2015年度から「子ども・子育て支援新制度」がスタート。従来は一律であった保育時間が保護者の就労時間によって2つに区分され、園児ごとに異なるようになった。保育所は園児の登降園時間を正確に記録し、さらに市区町村への補助金申請に必要な帳票を作成する必要があり、その負担はさらに増しているのが実情という。
この事務作業の効率化に着目したのが「登降園管理システム」。園児の登降園時間は、ICカードを用いてシステム上で把握する。欠席連絡や一時保育の利用確認は保護者からの電話連絡が必要だが、これらの連絡がスマホやPCからWeb登録できるため、さらなる負担の軽減と保育士間の伝達漏れが防げる。
補助金申請についても、システムが帳票を自動生成。市町村への補助金申請の帳票は市区町村によって様式が異なるが、システム側で適切な様式を選択。これまで手書きだった記録や書類作成は不要となり、手書きによる誤記も防げるという。
システムの保守はネットワークを通じて遠隔から可能。迅速に顧客の利用サポートやトラブルへの対処が行われる。
システム構成は、サーバー(登降園管理機能含む)、登降園受付タッチパネルとカードリーダー(各1台)、ICカード(100枚まで)、保守用ルーター、バックアップ用外付けHDD、無停電電源装置。価格は80万円(税別)。保育所1箇所あたり(園児100名まで)。