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“HinemosによるDevOpsを実現”、NTTデータがOSSの統合運用管理ソフト「Hinemos Ver.5.0」を提供
(2015/5/28 09:00)
株式会社NTTデータは27日、オープンソースの統合運用管理ソフトウェア「Hinemos(ヒネモス)」の新版「同 Ver.5.0」を、同日より提供すると発表した。環境の初期構築と運用開始後の構成変更を自動化する「環境構築機能」が追加され、HinemosによるDevOpsが実現可能になるとのこと。
Hinemosは、NTTデータが2005年からオープンソースソフトウェア(OSS)として公開する、システム監視とジョブ管理の両機能を備えた統合運用管理ソフトウェア。国内・国外を合わせ700以上のエンタープライズシステムへの導入実績があるという。
新版では、システムを構成するミドルウェアやアプリケーションを自動で構築する「環境構築」機能が新たに追加された。従来は、環境構築を行う際に、SSH接続経由のシリアルコンソールなどを利用して、手作業によるファイルの配布、インストールの実行、設定ファイルの変更などを実施していることが多く、大規模な環境では環境構築に多大な時間がかかっていた。しかしHinemosの環境構築機能を利用すると、複雑なスクリプトやソースコードを記述せずに、GUI操作で設定を登録すれば、大規模な環境を自動で構築できる。
また、環境構築と監視やジョブといった以前からある運用管理作業を、同一のソフトウェアで実現しているため、環境構築後に、すぐ監視やジョブを利用可能な点もメリット。従来Hinemosが備えている履歴管理機能と連携し、構築結果を保持することや、メール通知の機能と連携して構築結果をメール送付することも可能になった。
なお環境構築機能では、SSHやWinRMなど、LinuxやWindowsにおいて標準で利用可能なプロトコルを採用しているため、専用のエージェントをあらかじめインストールする必要はないという。
加えて、Hinemosの導入を簡易化し、さらにシステムの変更を自動でHinemosに反映する機能が追加された。従来のHinemosでは、監視・ジョブ設定の登録や監視・ジョブ結果の閲覧といった操作をするために、専用クライアントをインストールする必要があったが、新版ではWebブラウザからHinemosを操作できる。これにより、タブレット端末などからの運用も可能になるとした。
また、対話式のインストーラで行っていたHinemosそのもののインストールも、今回よりRPM(Red Hat Package Manager)に対応したことで、より簡単に行えるようになった。
今後は、Hinemosがインストールされた仮想化イメージファイルやDockerコンテナも、ダウンロード可能になる予定で、インストールされた環境を即時に用意することが可能になるので、運用開始までの期間が短縮できる。
このほか、IPアドレスの範囲を指定すると、その範囲のサーバー/ネットワーク機器を一括で登録できる「ノードサーチ機能」、ネットワークインターフェイスの追加やHDDの追加といった変更を自動で検知し、設定を変更する「自動デバイスサーチ機能」も追加されている。
なおHinemosはユーザーから受ける機能要望についても積極的に機能追加を進めており、今回は、監視機能への「HTTPシナリオ監視」「JMX監視」の追加、ジョブ機能へのテスト実行機能やジョブの実行時間を表示する機能などの追加、1万台のサーバーを1台のHinemosマネージャーで管理できるようなスケーラビリティの拡充、1台のHinemosクライアントで複数のHinemosマネージャーに同時にアクセスできる「マルチマネージャー接続機能」の追加、といった強化が行われている。
Hinemos(基本機能)はHinemosポータルサイトで公開されており、ダウンロード可能。商用版も提供されており、商用システムで必須となる高度な機能を備えた「Hinemosエンタープライズオプション」が年間30万円から、Hinemosマネージャーを冗長化する「Hinemosミッションクリティカルオプション」が年間80万円から、クラウドや仮想化環境をサポートする「Hinemosクラウド仮想化オプション」が年間30万円から。いずれも保守サポート費用は含まれていない。
NTTデータでは、Hinemos構築・保守サービスやHinemosパッケージ売り上げにより、年間50億円の売り上げを目標としている。